豚熱(Classical swine fever, CSF)およびアフリカ豚熱(African swine fever, ASF)は、それぞれCSFウイルス(以下CSFV)およびASFウイルス(以下ASFV)が豚やイノシシに感染することで引き起こされる疾病です。
本製品は、リアルタイムRT-PCR法によりCSFV遺伝子・ASFV遺伝子およびインターナルコントロールとしてサンプル由来のswine GAPDH遺伝子を同時に検出するためのプライマー、プローブ、RT-PCR酵素からなる試薬(研究用試薬)です。
なお、「豚熱に関する特定家畜伝染病防疫指針令和2年7月1日農林水産大臣公表(一部変更:令和6年3月28日)」の「【参考】(別紙1)豚熱の診断マニュアル」、および「アフリカ豚熱に関する特定家畜伝染病防疫指針令和2年7月1日農林水産大臣公表(一部変更:令和6年3月28日)」の「【参考】(別紙1)アフリカ豚熱の診断マニュアル」では、リアルタイムPCRの実施に市販キットが利用できるとされており、本製品に関してもリアルタイムPCR検査への適用が可能です。
※本製品には、農林水産省委託研究事業「安全な農畜水産物安定供給のための包括的レギュラトリーサイエンス研究推進委託事業」のうち課題解決型プロジェクト研究「官民・国際連携によるASFワクチン開発の加速化」および「野生イノシシにおけるアフリカ豚熱防疫措置の具体化に関する緊急実証研究」における国立研究開発法人農研機構との共同研究の成果が活用されています。
【検出対象遺伝子】
CSFV/ASFV Direct RT-qPCR Mix & Primer/Probe Ver.2(製品コード RC213A)
検出対象遺伝子 | プローブ標識 |
CSFV遺伝子 | Cyanine5 (レポーター)/ダーククエンチャー |
ASFV遺伝子 | ROX(レポーター)/ダーククエンチャー |
インターナルコントロール(IC) | FAM(レポーター)/ダーククエンチャー |
CSFV/ASFV Direct RT-qPCR Mix & Primer/Probe (with ROX Reference Dye) ver.2(製品コード RC214A)
検出対象遺伝子 | プローブ標識 |
CSFV遺伝子 | Cyanine5 (レポーター)/ダーククエンチャー |
ASFV遺伝子 | FAM(レポーター)/ダーククエンチャー |
インターナルコントロール(IC) | HEX(レポーター)/ダーククエンチャー |
※本製品は、Applied BiosystemsのリアルタイムPCR装置など、ウェル間の蛍光シグナルの補正を行う装置での解析に必要なROX Reference Dyeを添付しています。
【試料の種類と核酸の粗抽出法のまとめ】
試料の種類 | 試料の状態 | Solution N | Lysis Buffer S Ver.2 | Tissue Direct Solution E |
全血 | ー | ○ | × | × |
血清および臓器乳剤 | 着色(薄い) | ○ | ○ | × |
着色(中程度) | ○ | △*1 | × |
着色(濃い)・濁りあり | ○ | × | × |
耳介片乳剤 | ー | ○ | ○ | × |
臓器片*2 | ー | × | × | ○ |
耳介片*2 | ー | × | × | ○ |
*1 補足資料「
Lysis Buffer S Ver.2を用いた溶血試料の前処理方法について」をご参照ください。
*2 試料の乳剤化は必要ありません。