製品説明
AAV Rapid Titer ELISA Kit (Single Wash)は、AAVキャプシドタンパク質を検出・定量することで、ウイルス力価を効率的に測定できるELISAキットです。AAVのキャプシドタンパク質に特異的に結合する抗体を使用しており、1回の洗浄ステップでAAV粒子を特異的に検出できます。洗浄を1回にすることで操作手順が簡略化でき、簡便、迅速な力価測定が可能です。
AAV2、AAV8、AAV9の血清型に対応するキットを用意しており、ターゲットの血清型に応じて選択することができます。
<定量限界>
- AAV2:7.81×107 VP/ml
- AAV8:2.23×107 VP/ml
- AAV9:2.60×107 VP/ml
<適用可能なサンプル例>
- 細胞ライセート
- 培養上清(例:FreeStyle F17 expression medium(Thermo Fisher Scientific社)など)
- 精製済みのウイルス液(例:AAVpro Purification Kit Maxi /Midi(All Serotypes)(製品コード 6666/6675)で精製)など
なお、本製品に細胞ライセート調製用のLysis Bufferは含まれておりません。
図1.AAV Rapid Titer ELISA Kit (Single Wash)のワークフロー
AAV抗体(Anti-AAV capture antibody)がコーティングされたELISAプレートにサンプルを添加し、室温で30分間インキュベートする。次に、HRP標識されたAAV検出抗体(AAV HRP-Detection Antibody)をプレートに添加し、室温で30分間インキュベートする。1回洗浄を行った後、TMB Substrateを添加し、暗所で15分間インキュベートした後、プレートリーダーで測定する。別途作成した標準曲線を用いて、サンプルの力価を算出する。
図2.AAV2、AAV8、およびAAV9の標準曲線の例
本製品に添付されているEmpty Particle Controlsを用いて標準曲線希釈液を調製し、手順に従い標準曲線を作成した(Panel A:AAV2、Panel B:AAV8、Panel C:AAV9)。R2値(点線)は線形回帰解析に基づいて算出した。
Panel Dに検出限界(LOD)および定量限界(LOQ)の例を示した。
図3. Single Wash法のメリット
本製品はSingle-washプロトコールを採用しており、洗浄が1回で済むため、3回の洗浄を必要とする一般的なELISAと比較して操作ステップ数が少なく、AAV力価測定にかかる時間と労力を軽減することができる。
内容
- AAV2 Rapid Titer ELISA Kit (Single Wash)(製品コード 631485)
-
- AAV Rapid Titer ELISA Components*1
- AAV2 Rapid Titer ELISA Control*2
- AAV8 Rapid Titer ELISA Kit (Single Wash)(製品コード 631486)
-
- AAV Rapid Titer ELISA Components*1
- AAV8 Rapid Titer ELISA Control*2
- AAV9 Rapid Titer ELISA Kit (Single Wash)(製品コード 631487)
-
- AAV Rapid Titer ELISA Components*1
- AAV9 Rapid Titer ELISA Control*2
*1 AAV Rapid Titer ELISA Componentsの構成(各製品共通)
*2 AAV2/8/9 Rapid Titer ELISA Controlの構成
※ Lyophilized AAV2/8/9 Empty Particle Controlは、ゲノムDNAを含まないAAVの中空粒子の凍結乾燥品です。
*1、*2 単品販売はありません。
保存
4℃
※ Reconstitution Bufferで復元したAAV Empty Particle Control溶液は、4℃で最大4週間の保存安定性を確認済みです。
使用上の注意
本製品をご利用の際は、以下の点にご注意ください。
- 本製品はアデノ随伴ウイルスベクターを含むものではなく、また本製品の使用によりアデノ随伴ウイルスベクターが産生されるものではありません。しかしながら、本製品の使用対象であるアデノ随伴ウイルスベクターの使用には文部科学省の定める省令(「研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令」平成16年文部科学省・環境省令第1号)にあるP1レベル以上の施設が必要です。
- 本製品ご利用の際は省令および組織内の組換えDNA実験安全委員会の指示に従い、安全には十分ご注意ください。
- アデノ随伴ウイルスベクターによって生産されるウイルスは挿入断片によっては危険なウイルスを含む恐れがあるため、組換えウイルスの生産と取扱いには、適切な処置をとる必要があります。吸入や付着を防ぐために必ず、安全キャビネットを使用してください。
- 本製品の使用には遺伝子工学と細胞培養に関する基本的な技術が必要です。