製品説明
AAVベクター産生時の注意事項
CalPhos Mammalian Transfection Kit(製品コード 631312)などのリン酸カルシウム法によりAAV作製用プラスミドのトランスフェクションを行った場合、AAVの精製、濃縮の実験操作は、必ずPrecipitator Bによる処理のステップをスキップして実施してください。詳しくは取扱説明書をご覧ください。
内容
AAVpro Cell & Sup. Purification Kit Maxi (All Serotypes)(製品コード 6676)
AAVpro Cell & Sup. Extraction/Concentration Pack Maxi (All Serotypes)(製品コード 6677) |
AAVpro Purification Pack Maxi (All Serotypes)(製品コード 6678) |
AAVpro Cell & Sup. Extraction/Concentration Pack Maxi (All Serotypes)(製品コード 6677)
AAV Extraction Solution C |
8 ml |
AAV Extraction Solution D |
32 ml |
AAV Extraction enhancer |
80 ml |
Concentrating solution*1 |
115 ml×2 |
Dissolving solution |
50 ml |
AAVpro Purification Pack Maxi (All Serotypes)(製品コード 6678)
Precipitator A*2 |
5 ml |
Precipitator B |
2.5 ml |
Millex-HV 0.45 μm |
4個 |
Amicon Ultra-15, 100 kDa |
4本 |
Suspension Buffer |
60 ml×2 |
Cryonase Cold-active Nuclease |
500 μl |
*1 |
Concentrating solutionは低温保存により沈殿物が生じることがありますが、品質、性能には問題ありません。沈殿が生じた場合は、40℃で温めて完全に溶解させてから使用してください。 |
*2 |
Precipitator Aは低温保存により白色沈殿物が生じることがありますが、品質、性能には問題ありません。沈殿が生じた場合は、37℃で温めて完全に溶解させてから使用してください。 |
使用上の注意:
AAV Extraction Solution Cの原料の一部が、化学物質把握管理促進法(PRTR法)第1種指定化学物質(法第2条第2項、令第1条別表第1)に指定されています。添付の安全データシート(SDS)をご参照のうえ、取扱いには十分にご注意ください。
保存
AAVpro Cell & Sup. Extraction/Concentration Pack Maxi (All Serotypes)(製品コード 6677)
Concentrating solution |
4℃ |
その他のコンポーネント |
室温 |
AAVpro Purification Pack Maxi (All Serotypes)(製品コード 6678)
Cryonase Cold-active Nuclease |
-20℃ |
その他のコンポーネント |
室温 |
キット以外に必要な器具(主なもの)
・細胞培養に必要な一般的設備
・シリンジ
本製品使用の実験例 AAVpro® Cell & Sup. Purification Kit Maxi (All Serotypes)
1. 精製後の各セロタイプの純度測定
T225フラスコ5本で調製した蛍光タンパク質ZsGreen1を搭載する各セロタイプのAAVベクター産生細胞とその培養上清から、本キットを用いてAAVベクターを精製した。その後、
AAVpro Titration Kit (for Real Time PCR) Ver.2(製品コード 6233)を用いてタイターを測定し、1×10
9 vector genome (vg)/laneでSDS-PAGEに供した。その結果、AAVキャプシドタンパク質(VP1、VP2、VP3)が主要バンドとして確認できた。
2. 精製AAVベクターの感染能評価
「1. 精製後の各セロタイプの純度測定」で取得した各セロタイプのAAVベクターを用いて、293T細胞とHeLa細胞への感染力価を評価した。精製したAAVベクターは50,000 vg/cell(AAV1、2、5、6、8)もしくは100,000 vg/cell(AAV9)で感染させ、3日後にフローサイトメトリー解析を行った。本キットで精製したAAVベクターは感染能を有していることが確認できた。
※AAVベクターには指向性があるため、評価する細胞によって感染効率が異なります。実際の感染効率は、ご自身が使用する標的細胞で評価することをお勧めします。
使用上の注意
本製品をご利用の際は、以下の点にご注意ください。
- 本製品はアデノ随伴ウイルスベクターを含むものではなく、また本製品の使用によりアデノ随伴ウイルスベクターが産生されるものではありません。しかしながら、本製品の使用対象であるアデノ随伴ウイルスベクターの使用には文部科学省の定める省令(「研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令」平成16年文部科学省・環境省令第1号)にあるP1レベル以上の施設が必要です。
- 本製品ご利用の際は省令および組織内の組換えDNA実験安全委員会の指示に従い、安全には十分ご注意ください。
- アデノ随伴ウイルスベクターの系によって生産されるウイルスは挿入断片によっては危険なウイルスを含む恐れがあるため、組換えアデノ随伴ウイルスの生産と取扱いには、適切な処置をとる必要があります。吸入や付着を防ぐため、必ず、安全キャビネットを使用してください。
- 本製品の使用には遺伝子工学と細胞培養に関する基本的な技術が必要です。
関連資料