AAVpro® Cell & Sup. Purification Kit Maxi (All Serotypes)

AAV産生細胞と培養上清の両方から同時にAAVベクターの精製が可能
  • AAV産生細胞と培養上清の両方から同時にAAVベクターの精製が可能
  • さまざまな血清型(セロタイプ)のAAVベクターに適用可能
  • 高精製度、高回収率
  • 独自のAAVベクター抽出法により凍結融解法や超音波破砕法のような面倒な操作は一切不要
  • 超遠心分離などの煩雑な工程は不要
  • AAVベクター精製に必要なすべてのバッファーが付属
製品コード メーカー
略称
製品名 容量 価格(税別) 特記事項 説明書、CoA
データシート
ベクター情報
参考資料 カート
Takara Code
6676

TKR

タカラバイオ(株)
AAVpro® Cell & Sup. Purification Kit Maxi (All Serotypes)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) 安全データシート(SDS)添付 ライセンス
4回 ¥192,000
説明書・データシート・ベクター情報
6676
6677

TKR

タカラバイオ(株)
AAVpro® Cell & Sup. Extraction/Concentration Pack Maxi (All Serotypes)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) 安全データシート(SDS)添付
1 Kit ¥117,000
説明書・データシート・ベクター情報
6677
6678

TKR

タカラバイオ(株)
AAVpro® Purification Pack Maxi (All Serotypes)
ライセンス
4回 ¥104,000
説明書・データシート・ベクター情報
6678
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製品説明

AAVベクターは、増殖/非増殖のいずれの細胞にも遺伝子導入が可能であり、特に非分裂細胞においては長期間の発現が可能である。また、免疫原性が低く、動物個体への遺伝子導入(in vivo transduction)ツールにも適している。AAVベクターを用いて動物個体へ遺伝子導入を行う際は、ウイルス産生細胞や培地由来の不純物を除去し、高純度に精製したウイルスベクターを使用する必要がある。また、培養細胞へ遺伝子導入を行う際にも、精製したAAVベクターを使用することで、前記の不純物の影響をなくすことができる。

AAVベクターの精製は、CsCl濃度勾配超遠心法やiodixanol超遠心法などが一般的だが、これらの方法には熟練した技術が必要であり、精製工程にかかる時間や回収率などに課題がある。
AAVpro Cell & Sup. Purification Kit Maxi (All Serotypes)は、AAVベクター産生細胞中とその培養上清中に産生されたAAVベクターを簡便に約7時間で精製できるキットであり、様々な血清型(セロタイプ)に適用可能である。また、独自のAAVベクター抽出法により、凍結融解法や超音波破砕法のような面倒な操作は一切不要である。AAVpro Cell & Sup. Purification Kit Maxi (All Serotypes)(製品コード 6676)は、AAVpro Cell & Sup. Extraction/Concentration Pack Maxi (All Serotypes)(製品コード 6677)とAAVpro Purification Pack Maxi (All Serotypes)(製品コード 6678)で構成されている。本製品には、T225フラスコ5本相当の産生細胞と培養上清からのAAVベクター精製に必要なバッファー、濃縮カラムが4回分含まれている。
AAVpro Cell & Sup. Purification Kit Maxi (All Serotypes) を使用したAAV ベクター精製工程の概略
図1.AAVpro Cell & Sup. Purification Kit Maxi (All Serotypes) を使用したAAVベクター精製工程の概略

AAVベクター産生時の注意事項

CalPhos Mammalian Transfection Kit(製品コード 631312)などのリン酸カルシウム法によりAAV作製用プラスミドのトランスフェクションを行った場合、AAVの精製、濃縮の実験操作は、必ずPrecipitator Bによる処理のステップをスキップして実施してください。詳しくは取扱説明書をご覧ください。

内容

AAVpro Cell & Sup. Purification Kit Maxi (All Serotypes)(製品コード 6676)
AAVpro Cell & Sup. Extraction/Concentration Pack Maxi (All Serotypes)(製品コード 6677)
AAVpro Purification Pack Maxi (All Serotypes)(製品コード 6678)
AAVpro Cell & Sup. Extraction/Concentration Pack Maxi (All Serotypes)(製品コード 6677)
AAV Extraction Solution C 8 ml
AAV Extraction Solution D 32 ml
AAV Extraction enhancer  80 ml
Concentrating solution*1 115 ml×2
Dissolving solution  50 ml
AAVpro Purification Pack Maxi (All Serotypes)(製品コード 6678)
Precipitator A*2 5 ml
Precipitator B 2.5 ml
Millex-HV 0.45 μm 4個
Amicon Ultra-15, 100 kDa 4本
Suspension Buffer 60 ml×2
Cryonase Cold-active Nuclease 500 μl
*1 Concentrating solutionは低温保存により沈殿物が生じることがありますが、品質、性能には問題ありません。沈殿が生じた場合は、40℃で温めて完全に溶解させてから使用してください。
*2 Precipitator Aは低温保存により白色沈殿物が生じることがありますが、品質、性能には問題ありません。沈殿が生じた場合は、37℃で温めて完全に溶解させてから使用してください。
使用上の注意:
AAV Extraction Solution Cの原料の一部が、化学物質把握管理促進法(PRTR法)第1種指定化学物質(法第2条第2項、令第1条別表第1)に指定されています。添付の安全データシート(SDS)をご参照のうえ、取扱いには十分にご注意ください。

保存

AAVpro Cell & Sup. Extraction/Concentration Pack Maxi (All Serotypes)(製品コード 6677)
Concentrating solution 4℃
その他のコンポーネント 室温
AAVpro Purification Pack Maxi (All Serotypes)(製品コード 6678)
Cryonase Cold-active Nuclease -20℃
その他のコンポーネント 室温

キット以外に必要な器具(主なもの)

・細胞培養に必要な一般的設備
・シリンジ

本製品使用の実験例 AAVpro® Cell & Sup. Purification Kit Maxi (All Serotypes)

<1. 精製後の各セロタイプの純度測定>
T225フラスコ5本で調製した蛍光タンパク質ZsGreen1を搭載する各セロタイプのAAVベクター産生細胞とその培養上清から、本キットを用いてAAVベクターを精製した。その後、AAVpro Titration Kit (for Real Time PCR) Ver.2(製品コード 6233)を用いてタイターを測定し、1×109 vector genome (vg)/laneでSDS-PAGEに供した。その結果、AAVキャプシドタンパク質(VP1、VP2、VP3)が主要バンドとして確認できた。
精製後の各セロタイプの純度測定


<2. 精製AAVベクターの感染能評価>
<1. 精製後の各セロタイプの純度測定>で取得した各セロタイプのAAVベクターを用いて、各細胞株への感染力価を評価した。精製したAAVベクターは50,000 vg/cellで感染させ、3日後にフローサイトメトリー解析を行った。本キットで精製したAAVベクターは感染能を保持していることが確認できた。 精製AAVベクターの感染能評価

使用上の注意

本製品をご利用の際は、以下の点にご注意ください。
  • 本製品はアデノ随伴ウイルスベクターを含むものではなく、また本製品の使用によりアデノ随伴ウイルスベクターが産生されるものではありません。しかしながら、本製品の使用対象であるアデノ随伴ウイルスベクターの使用には文部科学省の定める省令(「研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令」平成16年文部科学省・環境省令第1号)にあるP1レベル以上の施設が必要です。
  • 本製品ご利用の際は省令および組織内の組換えDNA実験安全委員会の指示に従い、安全には十分ご注意ください。
  • アデノ随伴ウイルスベクターの系によって生産されるウイルスは挿入断片によっては危険なウイルスを含む恐れがあるため、組換えアデノ随伴ウイルスの生産と取扱いには、適切な処置をとる必要があります。吸入や付着を防ぐため、必ず、安全キャビネットを使用してください。
  • 本製品の使用には遺伝子工学と細胞培養に関する基本的な技術が必要です。

関連資料

遺伝子導入実験ハンドブック

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