製品説明
本製品は動物・ヒト由来成分を含まないケミカリーディファインド培地である。フィーダーフリー培養条件下で、長期間未分化状態を継続したままヒトiPS細胞、ヒトES細胞を効率的に継代培養することができる。高い増殖率が得られ、核型も維持する。本システムは、
従来のDEF-CS 500培養システム(製品コード Y30010)と同様に大量培養でも最適な培養が可能である。この培養系で増殖した細胞は未分化状態を維持し、分化した細胞をほぼ検出しないため、分化細胞の除去操作を必要としない。また、シングルセルの状態で培養できるので、iPS細胞のクローニングへの利用や、継代の際に必要となるコロニー分散作業に伴う細胞への悪影響を最小限に抑えることができる。
iPS細胞、ES細胞の培養には、別途プレートコーティング剤が必要となる。プレートコーティング剤として、
iMatrix-511(製品コード 892011)または、Corning Synthemax II-SC Substrate(Corning, Cat. No. 3535)を推奨する。
また、PIC/S(医薬品査察協定及び医薬品査察共同スキーム)のGMPガイドラインに準拠し、製造および品質管理されたGMPグレードバージョン(製品コード Y30071)もラインナップしている。GMPグレードバージョンには別途培地添加剤が必要である。
※本製品には抗生物質が含まれておりません。
抗生物質を添加する場合は、Gentamicin(50 mg/mL, ThermoFisher, Cat. No. 15750)を1/1000量添加してください。
- アプリケーション
- ・前臨床でのヒトiPS細胞のスケールアップと大量培養
- ・創薬スクリーニング用調製培地として使用
- ・リプログラミング、分化誘導用の培地として使用
内容
Cellartis DEF-CS 500 Xeno-Free Culture Medium w/o antibiotics(製品コード Y30045)
Cellartis DEF-CS 500 Xeno-Free Basal Medium w/o antibiotics | 500 ml |
Cellartis DEF-CS 500 Xeno-Free Additives | 1 Set・・・培地添加剤(製品コード Y30042) |
・DEF-CS Xeno-Free Additive 1 | 500 μl |
・DEF-CS Xeno-Free Additive 2 | 200 μl |
※別途プレートコーティング剤が必要です。
推奨プレートコーティング剤
iMatrix-511(製品コード 892011)
Corning Synthemax II-SC Substrate(Corning, Cat. No. 3535)
Cellartis DEF-CS 500 Xeno-Free GMP Grade Basal Medium(製品コード Y30071)
Cellartis DEF-CS 500 Xeno-Free GMP Grade Basal Medium | 500 ml |
※Cellartis DEF-CS 500 Xeno-Free GMP Grade Basal Medium(製品コード Y30071)には別途培地添加剤、プレートコーティング剤が必要です。
保存
Cellartis DEF-CS 500 Xeno-Free Basal Medium w/o antibiotics
Cellartis DEF-CS 500 Xeno-Free GMP Grade Basal Medium
2~8℃
Cellartis DEF-CS 500 Xeno-Free Additives
-20℃
アプリケーションデータ
図1. プレートコーティング剤 2種Synthemax II, iMatrix-511の使用データ
本製品を用いてヒトiPS細胞を2種のプレートコーティング剤Corning Synthemax II-SC Substrate(Corning, Cat. No. 3535)およびiMatrix-511(製品コード 892011)上で培養し、doubling timeを比較したところ、共に安定した高い増殖率を示した。
この結果より、本製品での培養時には上記プレートコーティング剤2製品を推奨する。
(28~30時間間隔で10回以上の継代を行った。2回行った試験の平均を示す。)
図2. 未分化状態での長期間の培養が可能
本製品を用いてヒトiPS細胞の継代を10回行った後、未分化状態が維持されていることを未分化マーカーOct-4とSSEA4に対する免疫染色で確認した。プレートコーティング剤はCorning Synthemax II-SC Substrate(Corning, Cat. No. 3535)を使用
図3. 長期間継代後も多分化能を維持
本製品を用いてヒトiPS細胞の継代を10回行った後、三胚葉への分化能が維持されていることを各胚葉特異的抗体での免疫染色(中胚葉ではASMA、外胚葉ではβIII-tubulin、内胚葉ではSOX17、HNF4aを検出)で確認した。下図の核染色はDAPIを使用。培養時のプレートコーティング剤はCorning Synthemax II-SC Substrate(Corning, Cat. No. 3535)を使用
関連のオンラインガイド、資料はこちら
幹細胞・再生医療研究ガイド
タカラバイオで展開している幹細胞研究のための試薬・受託サービス選択ガイドの他、関連情報をまとめています。
Cellartis 幹細胞研究用製品ガイド
ダウンロード