製品説明
In-Fusion Snap Assembly EcoDry Master Mixは、室温で保存できる便利な凍結乾燥タイプのIn-Fusionクローニング試薬である。
In-Fusionクローニングは、PCR断片と線状化ベクターの両末端15塩基の相同配列を利用して効率よくクローニングする方法で、わずか15分間の反応で1個~複数のPCR断片を任意のベクターの任意のサイトへ設計通りに挿入することができる。
15塩基の相同配列はPCR用プライマーの設計により容易に付加できる。In-Fusion反応によって線状DNAの3'末端から塩基が除去され、2個のDNA断片間で生じる相補的塩基によりアニーリングが可能となり、DNA断片の結合が起こる。この原理により1個から複数の断片のクローニングが可能となる。さらに、変異導入、遺伝子合成、特定遺伝子領域の変換などにも利用できる。クローニングするPCR断片に対し、制限酵素処理、リン酸化、平滑末端化は不要である。
本製品の各チューブにはプレミックスのIn-Fusion Snap Assembly試薬が乾燥状態で含まれており、アルミシールでカバーされている。線状化ベクターとインサート、滅菌水を加えるだけで反応を開始することができるため、作業効率の向上とコンタミネーションリスクの低減を図ることができ、自動化装置にも適している。
In-Fusion Snap Assembly EcoDry Master Mixは、クローニング効率が95%以上で、ハイスループットクローニングにも適している。製品には、8連チューブ(製品コード 638954、638955)と96ウェルプレート(製品コード 638956)の2種類のタイプを用意している。
他社同等品との違いはこちら
In-Fusionと他社シームレスクローニングキットは何が違うの?
図1.プロトコール In-Fusionプライマーの設計
In-Fusionクローニング用プライマーの設計および目的DNA断片の増幅は、基本的に通常のPCRプライマーの設計、PCR増幅と同じである。唯一の違いは、利用するベクターの末端配列に相同な15塩基を、配列特異的プライマーの5’末端に付加することである(下図参照)。
お手持ちのベクターに対するIn-Fusion用プライマーの設計には、便利なオンラインツール
「In-Fusionクローニング用プライマー設計サイト(In-Fusion Cloning Primer Design Tool)」をご利用ください。
※ リンク先はTB USA社サイトです。デザインツールが更新され、より使いやすくなりました。
※ これまでお使いいただいていた「In-Fusionクローニング用プライマー設計サイト(Primer Design tool for In-Fusion)」は
こちらから 内容
- In-Fusion Snap Assembly EcoDry Master Mix
製品コード 638954(8回):8-well strip×1
製品コード 638955(32回):8-well strip×4
製品コード 638956(96回):96-well plate×1
- pUC19 Control Vector, linearized
- 2 kb Control Insert
※ PCR産物の精製には別途、NucleoSpin Gel and PCR Clean-up(製品コード 740609.10)などの精製用スピンカラムをご用意ください。
※ キットにはコンピテントセルが添付されていません。形質転換には、効率の高い
E. coli HST08 Premium Competent Cells(製品コード 9128)などをご利用ください。
※ PCRによるインサートDNAの作製やベクターのインバースPCRには正確性が高いPrimeSTAR Max DNA Polymerase(製品コード R045A/B)の使用をおすすめします。
保存
In-Fusion Snap Assembly EcoDry Master Mix:デシケーター内で室温保存
pUC19 Control Vector, linearized、2 kb Control Insert:-20℃