AAVベクターは、増殖/非増殖のいずれの細胞にも遺伝子導入が可能であり、特に非分裂細胞においては長期間の発現が可能である。また、免疫原性が低く、動物個体への遺伝子導入(
in vivo transduction)ツールにも適している。AAVベクターを用いて動物個体へ遺伝子導入を行う際は、ウイルス産生細胞や培地由来の不純物を除去し、高純度に精製したウイルスベクターを使用する必要がある。また、培養細胞へ遺伝子導入を行う際にも、精製したAAVベクターを使用することで不純物の影響をなくすことができる。
AAVpro Freeze-Thaw Extraction Buffer (All Serotypes)は、AAVベクター産生細胞(生細胞および凍結細胞)から凍結融解法を用いてAAVベクターを抽出するための細胞懸濁液である。本製品を用いてAAVベクター産生細胞を懸濁することで、1回の凍結融解操作のみで、さまざまな血清型のAAVベクターを効率よく抽出することができる。
AAVpro Purification Pack Maxi (All Serotypes)(製品コード 6678)と組み合わせて使用することで、超遠心分離などの煩雑な工程を行うことなく、約4時間でAAVベクター産生細胞からのウイルスベクターの精製と濃縮が可能である。