腸管出血性大腸菌の検出においては、まずベロ毒素遺伝子の保有状況によるスクリーニングを行い、ベロ毒素遺伝子陽性であれば、O抗原型の遺伝子タイピングをした上で、分離培養を行う方法が効率的であるとされている。
本シリーズは、腸管出血性大腸菌のO抗原型の遺伝子タイピングを、リアルタイムPCRにより行うためのキットで、O抗原型の主要な血清型の7種類、O157/O26、O111/O121、O103/O145をそれぞれ検出することができる。各キットには、O157とO26、O111とO121、O103とO145組合せで、それぞれのO抗原合成遺伝子領域の遺伝子を検出するためのFAM 標識プローブとROX標識プローブが含まれている。(下表)二波長を同時にモニタリングすることで、一本のチューブで2種類のO抗原型の検出が可能である。リアルタイムPCRによるタイピングであり、電気泳動が不要で、迅速に結果が得られる。
【ご注意】
- 製品コードCY237、CY238、CY239では、Lot. AF4P0**およびAK501Zより、製品の容量および価格を変更しました(2015年5月25日)
- 製品コードCY237、CY238、CY239では、測定結果の判定方法に「+/-判定の基準値」を追加しました。詳しくは取扱説明書のp11、15をご確認ください。(2015年3月24日)
・CycleavePCR EHEC (O157/O26) Typing Kit(製品コード CY237)
・CycleavePCR EHEC (O111/O121) Typing Kit(製品コード CY238)
・CycleavePCR EHEC (O103/O145) Typing Kit(製品コード CY239)
上記3製品を用いる検出法は、厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課長通知(平成26年11月20日)
「腸管出血性大腸菌O26、O103、O111、O121、O145及びO157の検査法について」(食安監発1120第1号)に収載されました。
詳しくはこちらをご覧ください
製品 |
ターゲット遺伝子 |
蛍光検出波長 |
CycleavePCR EHEC (O157/O26) Typing Kit |
O157 |
FAM |
O26 |
ROX |
CycleavePCR EHEC (O111/O121) Typing Kit |
O111 |
FAM |
O121 |
ROX |
CycleavePCR EHEC (O103/O145) Typing Kit |
O103 |
FAM |
O145 |
ROX |
例)CycleavePCR EHEC(O157/O26)Typing Kit(製品コード CY237)
●1. | 2×Cycleave Reaction Mixture | 2×conc. | 250 μl |
●2. | O157/O26 Primer/Probe Mix* | 5× conc. | 100 μl |
○3. | dH2O | 1 ml |
●4. | O157 Positive Control | 40 μl(8回分) |
●5. | O26 Positive Control | 40 μl(8回分) |
○6. | EASY Dilution (for Real Time PCR) | 1 ml |
* 蛍光標識プローブを含んでいますので、遮光に留意してください。
コンポーネント1~3は、製品に添付している小箱を利用し、4~6のコンポーネントとは別に保管してください。
【コンポーネントの説明】
2×Cycleave Reaction Mixture:
PCR反応試薬。反応に必要な酵素、Buffer、dNTP Mixtureを含む。
O157/O26 Primer/Probe Mix:
O157およびO26のO抗原合成遺伝子領域の遺伝子をそれぞれ検出するためのプライマー・プローブ溶液。O157検出用のプローブはFAM、O26検出用のプローブはROXで標識されている。
dH
2O:滅菌水
O157 Positive Control:O157検出用陽性コントロール
O26 Positive Control:O26検出用陽性コントロール
EASY Dilution (for Real Time PCR):
Positive Controlを希釈する際に、希釈溶液として使用