NucleoSpin DNA FFPE XSは、ホルマリン固定パラフィン包埋(Formalin-Fixed Paraffin-Embedded, FFPE)組織切片から簡便かつ迅速にDNAを精製できる信頼性の高いDNA抽出キットである。本製品では、通常、脱パラフィンに使用されるキシレンやd-limonenの代わりにParaffin Dissolver(特許出願中)を使用し、効果的にパラフィン除去を行う
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先ずFFPE切片をParaffin Dissolverに溶解する。その後、固定組織を溶解し、Proteinase K消化により溶液中にDNAをリリースする。次にDNAからホルムアルデヒドクロスリンクを除去するため、特別にデザインされたバッファー中で熱処理を行う。エタノールを添加後、ライセートをNucleoSpin DNA FFPE XS Columnにアプライする。DNAはシリカ膜に結合する。2回の洗浄により、塩や有機物、生体分子を除去した後、低イオン強度条件下で小容量のElution Buffer BE(5~30 μl)により溶出することで、高濃度のDNAを得ることができる。
精製DNAは高濃度であるとともにクロスリンクが効果的に除去されているため、PCR増幅に適している。
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マニュアルにはキシレンを使用するプロトコールも収載されている。キシレンを用いた場合もParaffin Dissolverと同等な効率でパラフィン除去を行うことができる。なお、本キットにキシレンは含まれていない。 |
原理 | シリカメンブレン |
形状 | XSスピンカラム |
サンプル量 | ≦7切片(10 μm厚、面積 250 mm2) (<15 mg パラフィン) |
回収量 | サンプルの量と質による |
DNA純度 | サンプルの質に大きく依存 |
溶出液量 | 5~30 μl |
精製時間 | 70分(溶解後) |
結合容量 | 50 μg |
2014年6月をもちましてNucleoSpin FFPE DNAの製品名称がNucleoSpin DNA FFPE XSへと変更されました。製品名称以外、キットの性能やコンポーネント、価格、使用回数、操作手順などの変更はございません(製品名変更に伴いカラムの名称もNucleoSpin DNA FFPE XS Columnへ変更されていますが、カラム自体は同一のものです)。
740980.10(10回用)についてはlot 1407/001以降の、740980.50(50回用)についてはlot 1405/002以降の、740980.250(250回用)についてはlot 1405/001以降のlotより製品名称が変更されます。