製品説明
NucleoSpin DNA Stoolは、糞便中に含まれる細菌や上皮細胞からゲノムDNAを抽出するためのキットである。抽出したDNAは細菌叢の解析やドナーのジェノタイピングなどに使用できる。
本製品には、MN Bead Tubes Type A(セラミックビーズ)が含まれており、簡単な操作で効率的に細菌や組織、細胞を破砕することができる。MN Bead Tubes Type Aは、別売りのMN Bead Tube Holderを用いてボルテックスミキサーにセットして使用することができる。また、一般的な撹拌式細胞破砕装置でも利用可能である。
本製品にはNucleoSpin Inhibitor Removal Columnが含まれており、PCRを阻害するサンプル中の不純物を効果的に除去することができる。
原理 |
シリカメンブレン法 |
形状 |
ミニスピンカラム |
サンプル量 |
200 mg (180~220 mg) 糞便(新鮮便、凍結便) |
精製サイズ |
200 bp~約50 kb |
回収量 |
2~10 μg(サンプルの種類、状態に依存) |
A260/280 |
1.7~1.9 |
溶出液量 |
30~100 μl |
精製時間 |
60分 |
結合容量 |
50 μg |
(注) | 本製品の使用には撹拌式細胞粉砕装置、もしくはMN Bead Tube Holderと対応するvortex mixerが必要です。 |
内容
・Lysis Buffer ST1
・Lysis Buffer ST2
・Binding Buffer ST3
・Wash Buffer ST4
・Wash Buffer ST5 (Concentrate)
・Elution Buffer SE
・MN Bead Tubes Type A
・NucleoSpin Inhibitor Removal Columns (red rings)
・NucleoSpin DNA Stool Columns(green rings)
・Collection Tubes (2 ml)
・Collection Tubes (2 ml, lid)
保存
室温
本製品以外に必要な試薬、機器(主なもの)
試薬
・96~100%エタノール
器具
・1.5 mlマイクロチューブ
・2.0 mlマイクロチューブ
・ピペットチップ(滅菌済)
・ピペット
・微量高速遠心器・推奨細胞破砕装置:
Vortex-Genie 2 (サイエンティフィックインダストリーズ社)+MN Bead Tube Holder(製品コード 740469)
撹拌式細胞破砕装置(Retsch社 MM200など)
MN Bead Tube Holder(製品コード 740469)
この製品の使用方法は
こちらをご覧ください。
操作手順
用途
- 糞便サンプル中に含まれる細菌、上皮細胞からのゲノムDNA抽出
- 精製DNAはPCR、リアルタイムPCR、サザンブロッティング、マイクロアレイ解析などに使用可能
ヒト糞便からのDNA抽出
MN:NucleoSpin DNA Stool
図1.ヒト糞便からのゲノムDNA抽出
NucleoSpin DNA Stoolおよび他社キットを用いてヒト糞便サンプルからDNAを抽出した。DNA抽出は各キットのプロトコールに従い、抽出液量の5%を電気泳動に用いた(A)。精製された各DNA溶液のUV吸収を測定し、DNA収量を測定した。NucleoSpin DNA Stoolを使用することで、品質の高いDNAが高収量で得られることが示された。
各種動物の糞便サンプルから抽出したDNAのPCR増幅
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Lane 1: 1 kb Ladder
Lane 2: ネコ
Lane 3: ヒツジ
Lane 4: ウサギ
Lane 5: マウス
Lane 6: ヒト
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図2.各種糞便サンプルから抽出したDNAのPCR増幅
NucleoSpin DNA Stoolを用いてヒト、および動物の糞便サンプルからDNAを抽出し、溶出液5 μlを鋳型として16S rRNA領域1.5 kbの増幅を行った(35サイクル)。
いずれのサンプルも1.5 kbの増幅が確認でき、NucleoSpin DNA Stoolによって精製されたDNAはPCR阻害物質が除去され、良好なPCRが可能であることが示された。
NucleoSpinはマッハライ・ナーゲル社の登録商標です。