製品説明
本製品は、RT-PCRによりノロウイルスのRdRp領域の一部とVP1領域の一部を含む遺伝子領域を増幅するための試薬、およびPCRにより得られた増幅産物のシーケンスのためのプライマーからなるキットです。
本製品を使用して得られた増幅産物に対して塩基配列解析を行い、得られた塩基配列とデータベース上の配列との相同性検索により、ノロウイルスの遺伝子型判別を行います。
本製品のプライマーを用いることで、国立感染症研究所「病原体検出マニュアル ノロウイルス(第1版)令和元年6月(以下、病原体検出マニュアル)」と同様の領域を解析できます(Dual typing法に対応)。
本製品は病原体検出マニュアルに収載されたDual typing法のプライマー配列に独自の改良を加え、PCR増幅の成功率を向上させました。
※本製品の製品化にあたっては、群馬パース大学大学院 木村博一教授に監修いただきました。
- プライマー配列の改良により網羅性が大きく向上!
病原体検出マニュアルに収載されたDual typing法のプライマー配列に独自の改良を加えたことにより、高温条件でのPCR増幅を実現し、各種遺伝子型に対する網羅性が向上しました。
詳細なアプリケーションデータはこちら
- 病原体検出マニュアルに収載されたDual typing法に対応
本キットのプライマーを用いることで、病原体検出マニュアルと同様の領域を解析できます。
Dual typing法
RdRp(RNA-dependent RNA polymerase)領域の一部とcapsid領域の一部(
VP1)の両方の遺伝子型をタイピング可能な手法。
◆ RdRp領域とVP1領域の間(ジャンクション領域)で
ゲノムの組換えが生じる。
◆ この組換えがウイルスの流行に影響することが示唆されている(GII.2[P16]等)。
⇒
キメラウイルスの確認には
VP1領域だけでなくRdRp領域を含めたタイピングが必要
- 1ステップRT-PCRで操作簡便
上記Dual typing法は、病原体検出マニュアルで2ステップRT-PCR法が示されていますが、本キットでは1ステップRT-PCR法により、cDNA合成とPCR増幅が同一チューブ内で完了します。
- オールインワン・キットなのですぐに使用できます。
PCR増幅に必要な試薬とシーケンス用プライマーをセットにしており、すぐにご利用いただけます。
内容
Norovirus (GI) RT-PCR Kit for genotyping Ver.2(製品コード RC122A)
Norovirus (GII) RT-PCR Kit for genotyping Ver.2(製品コード RC123A)
*1 基質等を含みます。
*2 酵素等を含みます。
保存
-20℃
PCR増幅産物のシーケンス解析について
キットに含まれるSequencing Primer F (NV)-2を使用して、得られた精製増幅産物のシーケンス解析(片鎖解析)を行う。必要に応じて、Sequencing Primer R (NV)-2も使用し両鎖解析を行うと、精度の高いシーケンスデータが得られます。
※ シーケンス解析には、タカラバイオ受託サービス「
プレミックスシーケンス解析」のご利用をお勧めします。
[プレミックスシーケンス解析にご依頼いただく場合]
以下の混合物を準備後、1つのウェルに分注します。
- 精製増幅産物を1反応につき10~120 ngご用意ください。(1サンプルについて最大2反応となりますので、最大20~240 ngの精製増幅産物が必要となります。)
- 1つの反応ウェルについて1つのSequencing Primer (7.5 pmol/μl)を1 μl加え、全量を15 μl/ウェルとなるように調製いただき、ご送付ください。
詳細は「プレミックスシーケンス解析(8連チューブ/96ウェルプレート)」をご参照ください。
※「プレート単位シーケンス解析」をご利用される場合は
こちらをご覧ください。
※ご自身でシーケンスを実施することも可能です。その場合、キットのシーケンス用プライマーは7.5 pmol/μlとなっていますので、適宜使用量を調整してご使用ください。
塩基配列情報の解析