製品説明
Lenti-X Maxi Purification Kitは、パッケージング細胞の培養上清から不純物を除き、高い収量と純度でレンチウイルス精製が行える。自然落下式プロトコールにより簡便で素早い操作が行え、一般的なフィルター式精製カラムのようにレンチウイルス粒子にダメージを与え収量を下げることもない。自然落下式のカラムは穏やかにウイルス粒子を吸着・保持し、吸着しない不純物を洗浄操作によりカラムから洗い流す。カラムからの溶出操作では、元の状態が保たれた機能的なウイルス粒子が精製される。レンチウイルス精製操作をカラムによるプラスミド精製同様に簡便な操作で行える。
重要なレンチウイルス精製操作
細胞からの分泌物や破砕物など形質導入に影響を与える残渣を、ウイルスの精製操作により取り除くことができる。精製前のウイルス培養上清は、残存するプラスミドDNAや、培地中の血清成分、強い免疫原性を示すウイルスタンパク質や核酸などのウイルス感染・導入を阻害する未知の物質を含んでいる、in vivoや感受性の高い繊細な細胞へレンチウイルスを使用される場合にはそれらの不純物を除くことは極めて重要になる。
簡単な操作
Lenti-X Maxiカラムは充填済みで直ちに使用可能な形状になっており、ウイルス培養上清(9~45 ml)に付属の10×Dilution Bufferを添加し、カラムにアプライするだけである。操作はプラスミド精製カラムと同様に簡便に行える。ウイルスを含むサンプルは自然落下でカラムを通り、2回の洗浄操作の後、3 mlの溶出バッファー中に精製されたウイルスとして回収される。
“Pseudo-Transduction”を回避
レンチウイルスの感染実験に精製したウイルスストックを用いることで、いわゆる“Pseudo-Transduction”を回避することができる。パッケージング細胞から培地上清中に産生された組み換えタンパク質は、ターゲット細胞に受動的に取り込まれる可能性がある。これは、ウイルス感染・導入後に新たに発現した目的タンパク質との区別を困難にする。
高い回収率と純度
精製後のウイルスの感染性の維持と高い回収率で得るためには、穏やかにウイルス精製操作を行うことが重要である。Lenti-Xカラムは、サンプル中の60%以上のウイルスを精製・回収できる(図2、パネルA)。陰イオン交換式のメンブレン精製カラムは、精細なウイルス粒子へダメージを与え、高い収量でウイルスの精製ができない。Lenti-Xカラムではさらに高い精製純度が得られる(図2、パネルB)。実際にLenti-Xで精製したウイルスサンプルは、他のフィルター式のカラムの場合に見られる夾雑なタンパク質をほとんど含んでいなかった。
図1. Lenti-X Maxiカラムはパッケージング細胞培養上清から高収量のウイルス精製が可能
自然落下式のプロトコール(吸着、洗浄、溶出)は極めて簡便で素早く操作が行え、フィルター式の精製方法よりもレンチウイルス粒子へ与える影響が少なく、感染性を損なうことがない。
図2. Lenti-X Maxi Purification Kitは高収量・高純度でウイルスを精製
パネルA:Lenti-Xカラムでウイルス精製を行い、各画分をLenti-X qRT-PCR(RNA コピー数)またはフローサイトメーター(IFU)により、7回タイターを測定してその平均値を示した。パネルB:Lenti-X Maxi Purification Kitまたは、フィルター式の他社精製キット(Vendor M, S)を用いて精製した同タイター(1×105 IFU)のレンチウイルスサンプルを、SDS-PAGEで泳動して銀染色を行った。
Lenti-Xカラムで精製したサンプルは夾雑なタンパク質をほとんど含んでいない。
内容
Lenti-X Maxi Purification Kit
・Lenti-X Maxi Purification Columns
・Lenti-X Dilution Buffer (10×)
・Lenti-X Equilibration Buffer
・Lenti-X Wash Buffer
・Lenti-X Elution Buffer
保存
4℃