TransIT-2020は、細胞株だけでなく正常初代細胞など広範囲な哺乳動物細胞にプラスミドDNAを高効率で導入するためのトランスフェクション試薬である。トランジェントとステーブルなトランスフェクション実験の両方に適応しており、iPS細胞にも有効である(図1)。さらに、初代細胞(HUVEC)に対して高い導入効率と低い細胞毒性を示す(図2)。本試薬は動物由来成分フリーのコンポーネントから構成されており、DNAとの混合液は血清含有培地の培養系にも添加できるため、トランスフェクション後の培地交換操作が不要であり、操作性にも優れている。Chemically Defined (CD)の細胞培養系であればトランスフェクション操作から完全なxenogeneic freeな実験系が構築できる。
図1. ヒトiPS細胞への効率的遺伝子導入
0.5×10
6個のiPS細胞に
TransIT-2020を使用してZsGreen発現プラスミド(Clontech)を形質導入した。トランスフェクションは、6ウェルプレートを使用し、2.5 μgプラスミドと7.5 μl
TransIT-2020(1:3比)の条件で行った。24時間後に位相差(A)、蛍光(B)顕微鏡観察を行った。さらにサイトメーター解析(C)も同時に行った(黒ライン:非導入細胞、緑ライン:トランスフェクション細胞。
図2.高い発現効率と低い細胞毒性
ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)に
TransIT-2020と他社トランスフェクション試薬を用いて、ルシフェラーゼ発現プラスミドがトランスフェクションされた。横軸には、試薬:DNA比を示す。トランスフェクションは、96ウェルプレートで0.1 μgプラスミドを使用した。ルシフェラーゼ発現(棒グラフ)とLDH活性レベル(折れ線、%細胞傷害性)はトランスフェクション24時間後に測定された。
TransIT-2020を用いて導入可能な細胞の種類
TransIT-2020で良好にトランスフェクションできた細胞株
TransIT-2020で良好にトランスフェクションできたPrimary CellまたはStem Cell