本製品は、専用発注書にてお申し込み下さい(詳細はお問い合わせください)。
なお、発送に関しては下記2種類から選択していただけます。
販売店経由
弊社販売店からお届けいたします。(輸送費無料)
直送(輸送時の温度モニタリングを希望される場合)
製品に校正済み温度記録計をセットのうえお届けし、後日、輸送時の温度記録をお送り致します。受注確認から納品までに10営業日(通常、3~5営業日)程度のお時間をいただきます。
なお温度モニタリングをご希望される場合、ご注文の製品の合計金額に加え、本サービスの手数料(お届け先が日本国内の場合は50,000円、海外の場合は100,000円)および運送費(100,000円程度)をご負担いただくことを、あらかじめご了承ください。運送費は、弊社が委託する業者より直接ご請求させていただきます。
専用発注書にてお申し込みください
製品説明 Recombinant Cas9 Protein GMP gradeは、
Streptococcus pyogenes 由来の野生型Cas9タンパク質(SpCas9)のC末端にSimian virus 40由来の核移行シグナル(NLS:nuclear-localization signal)を含む組換えタンパク質である。SpCas9は、同細菌の有する特定遺伝子座(CRISPR:Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats)より転写される短鎖RNA(gRNA:guide RNA)と複合体(RNP:Ribonucleoprotein)を形成し、配列特異的に二本鎖DNAを切断する(※参考文献1)ことから、哺乳類細胞をはじめとする様々な細胞のゲノム編集に広く利用されている(※参考文献2, 3)。
本製品の溶液組成は、哺乳動物細胞への導入時に生じる細胞へのダメージを低減するよう最適化されているため、本Cas9タンパク質とgRNAを用いて調製したRNPをエレクトロポレーションやマイクロインジェクション等の手法を用いて細胞内に導入することで、高効率なゲノム編集が可能である。
なお、本製品は医薬品の製造及び品質管理基準であるGMPに準拠しており、高い品質を担保している。
※ 本製品の関連製品であるGuide-it Recombinant Cas9 (3 μg/μl)(製品コード 632641/632640)では、本製品と同一のバッファー組成を採用し、同等のゲノム編集効率が得られることが確認されています。
>>>本製品とGuide-it Recombinant Cas9 (3 μg/μl)の性能比較は
こちら
【参考文献】
A programmable dual-RNA-guided DNA endonuclease in adaptive bacterial immunity.
Jinek, M., Chylinsky, K., Fonfara, I., Hauer, M., Doudna, J.A., & Charpentier, E. Science . (2012) 337 (6096), 816-21.
Rapid and highly efficient mammalian cell engineering via Cas9 protein transfection.
Liang, X. et al . J. Biotechnol . (2015) 208 , 44-53.
CRISPR-Cas9 systems for genomic editing, regulation and targeting.
Sander, J.D. & Joung, J.K. Nat. Biotechnol . (2014) 32 , 347-55.
内容 0.6 mgのタンパク質を含む溶液0.2 mlを1 mlのクライオバイアルで包装
溶液濃度 : 3 mg/ml
内容量 : 200 μl
保存・使用上の注意 -70℃以下
(注意)凍結融解を繰り返して使用することは避けてください。
※お客様が一度開封した後の本製品の品質については、弊社が定めるGMP基準下での保証の対象外となります。但し製品が未開封の場合、最大5回の凍結融解後に明らかな性能劣化が無いことを確認しています。
分子量 159,665(アミノ酸配列より算出、1,380アミノ酸)
起源 E. coli expressing recombinant wild-type Streptococcus pyogenes Cas9 nuclease with a C-terminal nuclear localization signal(NLS) artificially synthesized based on Simian virus 40
純度 HPLC にて純度90%以上
品質について
本製品はGMPに関するガイドラインに準拠し、製造および品質管理されています。
本製品はヒト及び動物由来物質を含んでおりません。
アプリケーションデータ
【他社Cas9タンパク質製品との性能比較】
(下記のデータは、京都大学 iPS細胞研究所(CiRA) 臨床応用研究部門 主任研究員/特定拠点講師 堀田秋津 先生、及び堀田研究室 博士研究員 徐淮耕 先生よりご提供いただきました。)
図1.Recombinant Cas9 Protein GMP gradeと他社Cas9製品とのタンパク質ノックアウト効率の比較
実験は3回実施し、エラーバーはS.D.(標準偏差)を表す。
各5 μgのA社Cas9、A社Cas9変異体、B社Cas9及びRecombinant Cas9 Protein GMP gradeとsgRNA(0.625 μg×2種類)をエレクトロポレーション法によりヒトiPS細胞へ導入することで、2種類の細胞表面タンパク質A(Gene A)、B(Gene B)をそれぞれ別々に、あるいは、同時にノックアウトした。その結果得られた細胞の表面タンパク質A、Bの発現をフローサイトメーターで測定したところ、Recombinant Cas9 Protein GMP gradeを用いた場合において、最も高いノックアウト効率が得られた(図1)。
弊社のGMPグレードCas9タンパク質は高いノックアウト効率を安定して示しました!
【哺乳類細胞のゲノム編集】
※参考資料 : Guide-it Recombinant Cas9 (3 μg/μl) User Manual
[実験条件]
標的細胞/遺伝子:293T細胞/CD81
RNP導入法:エレクトロポレーション(使用装置:Neon Transfer System [Thermo Fisher Scientific社])
RNP作製条件:
single guide RNA (sgRNA) 0.45 μg、本製品0.75 μg/0.25 μlをResuspension Buffer R(またはT)を用いて計7.5 μlの溶液を調製し、37℃で5分加温後、4℃にて静置した。
RNP導入条件:
細胞を回収後にPBSで洗浄し、Buffer Rを用いて2×107 cells/mlとなるように懸濁した標的細胞7.5 μlをRNPの溶液7.5 μlと混合させた後、装置の使用方法に従いエレクトロポレーションを行った。
ただし、エレクトロポレーションの条件は、以下3種の条件を使用(各N=3で実施)した。
条件 パルス電圧(V) パルス幅(ms) パルス回数
A 1,300 20.0 2
B 1,200 20.0 2
C 1,100 20.0 2
ゲノム編集効率の評価方法 :
上記導入条件にてRNPを導入した細胞を7日間培養後、PE標識抗CD81抗体と反応させ、FCM解析にてCD81陰性細胞率(%)を測定した。
[実験結果]
図2.ゲノム編集による機能評価
条件A-Cで比較検討したところ、パルス電圧を1,300 Vに設定した条件Aで、最も高い標的遺伝子CD81ノックアウト(85.4%)効率が得られた。
【本製品とGuide-it Recombinant Cas9 (3 μg/μl)の性能比較】
図3.ゲノム編集による機能評価;Guide-it Recombinant Cas9 (3 μg/μl)との比較
Recombinant Cas9 Protein GMP grade(製品コード T230)は、Guide-it Recombinant Cas9 (3 μg/μl)(製品コード 632641/632640)と同様のゲノム編集効率であることを確認した。
両製品は同一のバッファー組成を採用しており、特に哺乳動物細胞へのエレクトロポレーションによるRNP導入に最適です。