製品説明
NucleoGone Endonuclease, Cold- and Salt-activeは、あらゆる形態のDNAおよびRNA(一本鎖、二本鎖、直鎖状、および環状)を効率的に分解する非選択的エンドヌクレアーゼです。本酵素は、一般的な非選択的エンドヌクレアーゼ(例:NucleoGone Endonuclease(製品コード 2490A))と比較して、300 mMを超える高塩濃度や4~37℃の比較的低温の条件下において、より高い反応性を発揮します。したがって、細胞溶解を促進し、ウイルス粒子の凝集を防いで生産性を高めることが要求されるアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター製造工程など、高塩濃度のサンプルから穏やかな温度で時間をかけて核酸を除去したい場合に適しています。
A
B
図1.活性特性
本製品および既存製品のNucleoGone Endonuclease(製品コード 2490A)の活性を、本製品の活性測定反応系(25 mM Tris-HCl pH8.5、5 mM MgCl
2、500 mM NaCl、and 0.5mg/ml Calf-thymus DNA at 37℃ for 30 min)を基本として、NaCl濃度もしくは反応温度のみを変化させて測定した。
両製品それぞれについて、得られた最大活性値を100%として表示した。
(A)塩濃度による影響評価
NucleoGone EndonucleaseではNaCl濃度の上昇に伴い活性が低下するのに対し、本製品はNaCl濃度の上昇に伴い活性が上昇して750 mMで最大に達した。これにより、本製品が高塩濃度条件下(>300 mM)での核酸分解に適していることが示された。
(B)反応温度の影響評価
本製品は、37℃以下の条件においても至適温度(37~45℃)からの活性低下率がNucleoGone Endonucleaseに比べて小さい結果となった。
これにより、本製品は低温処理などの温和な条件を必要とするサンプルにおいても優れた核酸分解能を発揮する可能性が示された。
A
B
図2.ユニット特性
本製品および他社耐塩性ヌクレアーゼの活性を弊社反応系(図1を参照)にて測定し、各製品の表示ユニット当たりの実測ユニットを算出した。
その結果、本製品は、NaCl濃度(A)および温度(B)の各条件において、他社製品を広範囲に上回る活性を示した。これにより、同一ユニット量の使用において、本製品がより高い核酸分解能を有することが示された(弊社取得データ)。
保存
-20℃
起源
Escherichia coli carrying a plasmid that encodes the gene for NucleoGone Endonuclease, Cold- and Salt-active
一般的性質
質量:約26 kDa
活性の定義
仔ウシ胸腺DNAを基質として、500 mM NaCl存在下において、37℃ 30分間に反応液の260 nmの吸光度を1.0変化させる酵素量を1 Uとする。
失活条件
本酵素を完全失活させる場合は、100 mMになるようにNaOHを添加し、70℃で30分間加熱する。
活性測定用反応液組成
25 mM | Tris-HCl, pH8.5 |
5 mM | MgCl2 |
500 mM | NaCl |
0.5 mg/ml | 仔ウシ胸腺DNA |
品質管理データ
性能試験結果については、各ロットのCertificate of Analysis(CoA)をご覧ください。CoAは
こちらからダウンロードできます。
用途
- AAVなどのウイルスベクター精製工程における宿主細胞由来の核酸(ゲノムDNAやRNA)の除去
- タンパク質精製工程における細胞溶解液の粘度の低減*1
- サンプル中に混入している核酸の除去
*1 本酵素はHisタグを有するので、Hisタグ付きタンパク質を精製する際には注意が必要です。
最適条件、反応条件
本製品は、以下の条件で活性を保持する。様々な条件下における活性は
こちらをご確認ください。
条件 | 最適条件 | 反応条件 |
Temperature | 37~45℃ | 4~55℃ |
pH | 8.5~10 | 7~10 |
Na+, K+ ions*2 | 500~1,000 mM | 0~1,000 mM |
EDTA | <1 mM | 0~2.5 mM |
DTT | 0~2.5 mM | 0~200 mM |
2-mercaptoethanol | 0~2.5 mM | 0~400 mM |
Triton X-100 | 0~0.2% | 0~1% |
*2 塩濃度が200 mM以下のアプリケーションでは、NucleoGone Endonuclease(製品コード 2490A)の使用を推奨します。