【方法】 | GCリッチで比較的変異の入りやすいTthゲノムDNAを鋳型として任意に選択した10種類の領域をPCR増 幅後、それぞれベクターにクローニングし、各配列について複数クローンをピックアップしてシーケンシングを 行い塩基配列を確認し、エラー率を算出した。 |
酵素 | GC or ATリッチ 配列の増幅 |
伸長スピード | ダイナミックレンジ | 増幅鎖長の目安 (ヒトゲノムDNA) |
PCR産物 末端形状 |
Hot Start |
PrimeSTAR HS | ★★★ | ★★ | ★★ | ≦8.5 kb | 平滑 | ○ (抗体を利用) |
PrimeSTAR Max | ★★★ | ★★★★★ | ★★★(★)*1 | ≦6 kb | ||
PrimeSTAR GXL | ★★★★★ | ★★★★(★)*2 | ★★★★★ | ≦30 kb |
*1 *2 | 伸長時間を長めに設定(1分/kb)することで持ち込み可能な鋳型量を増やすことができる。 酵素を2倍量使用することで10秒/kbの高速反応が可能である。 |
【方法】 | - (GA)8 - のリピート配列を含む500 bpの領域(λDNA 由来の配列にリピート配列を挿入)を各種酵素でPCR増幅後ベクターにクローニングし、複数クローンをピックアップして配列決定することによりリピート配列に生じるエラーを解析した。 |
Clone数 | Mutation | 変異数 | 変異率 | |||
-2(GA) | -1(GA) | +1(GA) | ||||
Taq DNA Polymerase | 261 | 3 | 21 | 2 | 26 | 10.00% |
PrimeSTAR HS | 250 | 5 | 25 | 2 | 32 | 12.80% |
PrimeSTAR Max | 201 | 0 | 5 | 0 | 5 | 2.49% |
PrimeSTAR GXL | 167 | 0 | 4 | 0 | 4 | 2.40% |
A社酵素1(α型) | 131 | 2 | 15 | 1 | 18 | 13.74% |
A社酵素2(α型) | 172 | 2 | 15 | 9 | 26 | 15.12% |
※ | 酵素のスリッピングによるリピート配列の複製エラーは、校正活性(3’-5’exonuclease 活性)では修復できない。 したがって校正活性を持ち高正確性を謳うα型DNA polymeraseであっても、リピート配列複製の正確性は校正活性を持たないTaq DNA polymeraseに比べ て優れているとは限らない。 |
★ | 伸長因子によりProcessivityが大きく向上しているPrimeSTAR MaxとPrimeSTAR GXLは、リピート配列に 対する正確性が優れていました。 |
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