本製品は、mRNAを用いた無細胞タンパク質合成試薬です。タンパク質翻訳に必要な全ての成分(ヒト細胞由来のリボソーム、翻訳開始および伸長因子、tRNAなど)が含まれているため、単一のチューブ内において、タンパク質をコードするキャップ化mRNA
*1を本製品へ添加し、32℃で数時間インキュベートするだけでタンパク質を合成することができます。
上記のとおり本製品を用いた無細胞発現系は手順が簡便なため、従来の細胞ベースの発現系と比較して作業時間の大幅な短縮が可能になります。
これにより目的タンパク質の生産だけでなくmRNA構築物評価の迅速な手段にもなるため、ワクチン開発などのために設計されたmRNA構築物のスクリーニングに適しています。
*3
また、本製品はeIF4Gのような200 kDa近くの長鎖配列(2,000 aa=6,000 nt)まで合成が可能です。
*2 初回推奨条件。最適な反応温度と反応時間は目的タンパク質によって異なります。
*3 評価する検体数が多い場合は、同一ロットでの試験をおすすめします。また、指標となるコントロールを設定し、試験間の発現レベルを確認することを推奨します。
■ 5’-Cap依存的翻訳と経時的発現量
本製品に、キャップ化mRNA
*4および非キャップ化RNA(どちらもFLuc RNA配列)をそれぞれ2 μg添加し、32℃で0、1、2、3および5時間インキュベートした。
その結果、キャップ化mRNAを添加した場合のみ、目的タンパク質の発現が確認された。
詳細は
こちら
図1.5’-Cap依存的翻訳と経時的発現量
■ RNA配列(3’ UTRの種類)が翻訳効率に与える影響と細胞発現との相関
4種類のキャップ化FLuc mRNA(
※)を使用し、本製品を用いた無細胞発現と、HEK293T細胞を用いた細胞発現の相関を評価した。
その結果、無細胞発現系と細胞発現系の比較において、FLucタンパク質の発現レベルに相関が見られた。
詳細は
こちら
無細胞発現
Human Cell-Free Protein Expression
Master Mix for mRNA

細胞発現
図2. 本製品を用いた無細胞発現系と細胞発現系の相関
※ 本実験で使用したキャップ化FLuc mRNAは、下記4種類の配列のいずれかをFLuc遺伝子の下流(下図
オレンジ位置)に挿入した鋳型DNAを用いて作製した。
- ヒトα-globin由来の3’ UTR配列
- ヒトβ-globin由来の3’ UTR配列
- ヒトAES遺伝子由来の3’ UTR配列
- 肝炎ウイルス由来のWPRE配列

- Human Cell-Free Protein Expression Master Mix for mRNAを氷上で融解し、穏やかにピペッティングしてよく混合した後、0.2 mlチューブに18 μlを分注する。
- 1.を32℃で5分間プレインキュベーションする。
- 2.にCapped mRNA 2 μg*5と必要に応じてNuclease-free waterを加えて、Total 20 μlの反応液を調製する。
- 反応液を穏やかにピペッティングしてよく混合した後、27~32℃で1~5時間*6インキュベーションする。
*5 Capped mRNA量は2 μgを推奨します。目的タンパク質の産生が少ない場合は、添加量を変更してお試しください。
*6 最適な反応温度と反応時間は目的タンパク質やmRNA構築物によって異なりますが、初回検討時は32℃で3時間の反応を推奨します。