Takara IVTpro™ mRNA Synthesis System (low dsRNA)

dsRNAの生成を大幅に低減した高品質なmRNA合成キット
  • Cap構造とPoly(A)配列を有するmRNAを簡便に合成可能なキット
  • in vitro転写(IVT)反応にPrimeCap T7 RNA Polymerase (low dsRNA)を使用し、mRNA合成の高効率および高収量はそのままに、従来品(製品コード 6141、6144)より副産物dsRNAを大幅に低減
  • BspQ Iを用いたPoly(A)配列後に余分な配列を持たない“scarless”なmRNAの合成鋳型の作製が可能(製品コード 6133)

mRNA(IVT)製品ガイド
製品コード メーカー
略称
製品名 容量 価格(税別) 特記事項 説明書、CoA
データシート
ベクター情報
参考資料 カート
Takara Code
6131

TKR

タカラバイオ(株)
Takara IVTpro™ mRNA Synthesis System (low dsRNA)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) 安全データシート(SDS)添付 ライセンス
1 Set ¥70,000
6133と6134のセット品 説明書・データシート・ベクター情報
6131
6133

TKR

タカラバイオ(株)
Cloning Kit for mRNA Template (BspQ I)
10回 ¥25,000
テンプレート調製キット 説明書・データシート・ベクター情報
6133
6134

TKR

タカラバイオ(株)
Takara IVTpro™ T7 mRNA Synthesis Kit (low dsRNA)
化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) 安全データシート(SDS)添付 ライセンス
20回 ¥49,000
IVTでのRNA合成キット 説明書・データシート・ベクター情報
6134
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製品説明

Takara IVTpro mRNA Synthesis System (low dsRNA)は、Cap構造とPoly(A)配列を有するmRNAを簡便かつ高効率に合成することができるキットです。1.TriLink 社のCapアナログ(CleanCap Reagent AGあるいはCleanCap Reagent AG(3’OMe))を用いたIVTに使用可能な鋳型プラスミドの構築をする際に、Poly(A)配列後に余分な配列を持たないmRNA合成鋳型プラスミド構築が簡便にできるクローニングキット(製品コード 6133)と、2.構築したプラスミドを鋳型とするIVTにPrimeCap T7 RNA Polymerase (low dsRNA)を使用することにより、免疫原性のあるdsRNAの生成を大幅に低減しつつ、より高品質で高収量なmRNAを合成するキット(製品コード 6134)の2種類で構成されています。
Capアナログは本製品に含まれていません。CleanCap Reagent AG(TriLink社)などを別途ご用意ください。

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製品説明

  1. Cloning Kit for mRNA Template (BspQ I) (製品コード 6133):
    本製品はIVTでのmRNA合成を意図したプレデザイン済みのIn-Fusionクローニング用ベクター、In-Fusion試薬およびアッセイコントロールフラグメント(FLuc)から構成されています。
    予め線状化されたベクターには、T7 promoter、転写開始配列(AGG)、5’-UTR (untranslated region)、3’-UTR、Poly(A) 配列(141塩基)が含まれているため、発現させたい遺伝子のコーディング配列(coding sequence: CDS)をIn-Fusionクローニングするだけで、ヒトやマウスといった哺乳類細胞で使用可能なmRNA合成用鋳型プラスミドを構築できます。構築したプラスミドはPoly(A)配列直後に導入したType IIS制限酵素・BspQ Iサイトで線状化することにより、Poly(A)配列後に余分な配列を持たないmRNAの合成鋳型となります。

  2. Takara IVTpro T7 mRNA Synthesis Kit (low dsRNA)(製品コード 6134):
    本製品は構築した鋳型プラスミドを用いてin vitro transcription(IVT)により、免疫原性のあるdsRNAの生成を大幅に低減しつつ、高品質・高収量なmRNAを合成するキットです。真核生物における効率的なタンパク質の翻訳にはRNAの5’末端にCap構造を必要としますが、本製品ではCleanCap Reagent AG(TriLink社:Code. N-7113)などを用いて、Cap構造を持つmRNAを効率よく調製することができます。また、本製品で作製したmRNAに、Faustovirus Capping Enzyme (S17)(製品コード 2480A/B)あるいはVaccinia Capping Enzyme(製品コード 2460A/B)mRNA Cap 2’-O-Methyltransferase(製品コード 2470A/B)を用いることにより、酵素反応的にCap1構造を付加することも可能です。さらに、導入細胞での免疫原性を低減させたい場合は、通常のUTPの代わりにシュードUTP等もmRNAの収量を大きく低下させることなく使用することができます。
    詳しくは、Takara IVTpro mRNA Synthesis System (low dsRNA)(製品コード 6131)の取扱説明書をご参照ください。

    製品説明 製品説明 製品説明
    従来品のCleanCapアナログ(+)での値を100%とし,その相対値をグラフに示す。

    図1. FLuc mRNA(約1.9 kb)を合成した際の収量とdsRNAの含有量およびタンパク発現レベル
    Positive Control Template (FLuc)を鋳型として、本製品(Takara IVTpro mRNA Synthesis System (low dsRNA)(製品コード 6131))と従来品(Takara IVTpro mRNA Synthesis System(製品コード 6141))および他社製品を用いて、CleanCapアナログ有無の条件にて標準プロトコールに従いIVT結果を比較した(グラフでは各製品に含まれるT7 RNA polymeraseの名称を示す)。
    その結果、(A)本製品・従来品ともにCleanCapアナログの有無に関わらずmRNA合成収量は高く、さらに(B)本製品ではdsRNAの生成が従来品と比べ約95%抑えられたことが確認できた。
    また、(C)合成したmRNAをHEK293T細胞にトランスフェクションし、FLucアッセイによってタンパク質の細胞内発現レベルを測定した結果、本製品で合成されたmRNAはタンパク質発現レベルが高いことが確認された。

用途

  • IVTの鋳型に使用するプラスミドDNAのコンストラクション
  • Poly(A) 配列後に余分な配列を持たないmRNAの合成
  • TriLink社のCleanCap Reagent AGを用いるIVTでのmRNA合成
  • Anti-Reverse Cap Analog (ARCA) などのCapアナログを用いたcapped mRNAの合成
    ARCAの使用に際しては本製品とは異なる鋳型配列のデザインが必要になりますので、ご注意ください。)
  • Long non-coding RNAの合成
  • guide RNAの合成
  • siRNA前駆体の合成
  • RT-qPCR用RNA標準鋳型の合成
  • 高標識RNAプローブの合成

内容

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Cloning Kit for mRNA Template (BspQ I)(製品コード 6133)(10回分)
Linearized Template Vector (BspQ I)(50 ng/μl)10 μl
FLuc Control Fragment (BspQ I)(100 ng/μl)*110 μl
5×In-Fusion Snap Assembly Master Mix*220 μl

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Takara IVTpro T7 mRNA Synthesis Kit (low dsRNA) (製品コード 6134)(20回分、20 μl反応系)
10×Transcription Buffer40 μl
10×ATP40 μl
10×CTP40 μl
10×GTP40 μl
10×UTP40 μl
10×Enzyme Mix 240 μl
Nuclease-Free Water1 ml×3
DNase I80 μl
Lithium Chloride Precipitation Solution 600 μl
Positive Control Template (FLuc)(0.5 μg/μl)*310 μl

*1 ヒト細胞での発現にコドン最適化された、ホタル(Photinus pyralis)由来ルシフェラーゼのCDSを含むIn-Fusionクローニング用コントロール断片です。配列情報はこちらよりご確認ください。
*2 In-Fusion Snap Assembly Master Mix(製品コード 638943/638944/638947~638949)に含まれているコンポーネントと同じです(volumeは各製品ごとに異なります)。
*3 T7 promoter+5’UTR+FLuc-CDS+3’UTR+Poly(A)で構成される配列を有する線状化プラスミドDNAです。配列情報はこちらよりご確認ください。

注意事項

  • 本製品はIVT反応によってRNAを合成する試薬です。鋳型となる二本鎖DNAや試薬、反応に使用するチューブ、マイクロピペット用チップなどにRNaseが混入した場合、RNA収量の低下やRNAの断片化を引き起こします。反応に使用するチューブ、マイクロピペット用チップは専用のものとし、反応を行うときはディスポーザブル手袋を着用して、RNaseが混入しないように注意してください。
  • 使用する酵素類は、氷上においてください。また、過度の攪拌や凍結融解は行わないでください。
  • Lithium Chloride Precipitation Solutionは使用前に室温で融解してください。融解後、よく混合しても沈殿物が見られる場合、37℃で溶液を温めてください。それでも沈殿物が残る場合は、そのままご使用ください。性能に影響はありません。

保存

-20℃

本製品以外に必要な試薬(主なもの)

  • 形質転換用のコンピテントセル・試薬など
  • CleanCap Reagent AG(TriLink社)
  • シュードUTP等の修飾ヌクレオチド
  • 制限酵素(BspQ I)

配列情報:FLuc Control Fragment (BspQ I)

ZIP形式で圧縮しておりますが、StuffIt Expander等でも解凍できます。
  • Linearized Template Vector (BspQ I) :2,962 bp
    配列情報(fasta形式):こちらからダウンロードできます。

  • FLuc Control Fragment (BspQ I) :1,683 bp
    配列情報(fasta形式):こちらからダウンロードできます。

ベクター情報:Linearized Template Vector (BspQ I)

Linearized Template Vectorベクターマップ
NeoR/KanR 53~847
Ori: 1,172~1,760

T7 promoter sequence: 2,489~2,505
Transcription start sequence (AGG): 2,506~2,508
5’UTR: 2,509~2,559
Upstream In-Fusion region (15 bp): 2,545~2,559

▼In-Fusion cloning site (linearized site): between 2,559 and 2,560

Downstream In-Fusion region (15 bp): 2,560~2,574
3’UTR: 2,560~2,672
Poly(A)141 : 2,673~2,813
BspQ I: 2,810
Poly(A) Forward Primer: 2,570~2,589
Poly(A) Reverse Primer: 2,904~2,923

ベクター情報詳細はこちら

ベクター情報:Positive Control Template (FLuc)

配列情報(fasta形式):こちらからご確認ください。
Positive Control Template(FLuc)(4,574 bp)
マップ情報
NeoR/KanR: 193~987
Ori: 1,312~1,900

T7 promoter sequence: 2,629~2,645
Transcription Start Sequence (AGG): 2,646~2,648
5’UTR: 2,649~2,699
FLuc CDS: 2,700~4,352
3’UTR: 4,353~4,465
Poly(A)105 : 4,466~4,570
(FLuc Control Fragment-derived sequence: 2,685~4,367)

▼Linearized site by Hind III (5' overhangs) : 4,569 (4,573)



<T7 promoter sequence以降の詳細情報>
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詳細情報
注意事項
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