LymphoONE T-Cell Expansion Xeno-Free MediumはヒトTリンパ球(T細胞)の拡大培養や、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクターを用いたTリンパ球への遺伝子導入にも最適な培地である。培地中にはヒト血清アルブミン(医薬品グレード)および組換え型ヒトインスリン以外のタンパク質は添加されていない。T細胞の培養にそのまま使用可能であるが、血清や血漿を添加することで細胞増殖率がより向上することがある。
T細胞は、
Anti-CD3 mAb(抗CD3抗体)で刺激後、サイトカイン(IL-2やIL-5等)を含むLymphoONE T-Cell Expansion Xeno-Free Mediumを用いて培養することで、増殖させることができる。この抗CD3抗体による刺激の際に、同時に
RetroNectinを用いて刺激することで、T細胞の増殖を増強することができる。また、その増殖した細胞集団中には抗CD3抗体単独で刺激した時と比較して、より多くのナイーブT細胞が含まれることが報告されている(参考文献)。
T細胞を拡大培養するための培養容器としては、細胞培養用フラスコやシャーレのほか、ガス透過性細胞用バック
CultiLife 215 Culture bagを用いた完全閉鎖系での培養が可能である。
レトロネクチン共刺激によるT細胞の拡大培養方法と実施例の詳細は
こちらをご覧ください。
参考文献
Stimulation through very late antigen-4 and -5 improves the multifunctionality and memory formation of CD8
+ T cells.
Hosoi H,
et al., (2014)
Eur J immunol.
44:1747-1758