pSINsi-DKベクターシリーズ

ダブルノックダウンタイプのshRNA発現用レトロウイルスベクター
製品コード メーカー
略称
製品名 容量 価格(税別) 特記事項 説明書、CoA
データシート
ベクター情報
参考資料 カート
Takara Code
3663

TKR

タカラバイオ(株)
pSINsi-DK I DNA Set
30回 ¥66,000
説明書・データシート・ベクター情報
3663
3664

TKR

タカラバイオ(株)
pSINsi-DK II DNA Set
30回 ¥66,000
説明書・データシート・ベクター情報
3664
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製品説明

遺伝子発現を抑制するひとつの手法としてRNA干渉作用(RNA interference; RNAi)がある。RNAiは二本鎖RNAを導入することにより、標的遺伝子のmRNAを分解し、発現を抑制する手法で、哺乳類細胞では21~23塩基の短い二本鎖RNA(short interfering RNA;siRNA)によってRNAi 効果が得られることが明らかとなっている。RNAi実験の主な手法としては、合成siRNAを導入する方法と、発現ベクターを用いて細胞内でsiRNAを形成させる方法が挙げられる。合成siRNAではそのRNAi効果は一過性であるが、発現ベクターを用いることでRNAi効果の持続が期待でき、特に発現ベクターを用いて安定導入細胞を獲得すると、長期間にわたり遺伝子の発現抑制が可能となる。
レトロウイルスベクターは目的遺伝子を感染細胞染色体に安定に組み込むことができるため、目的遺伝子の長期安定発現ベクターとして非常に有効である。pSINsi-DKベクターシリーズは、自己不活型レトロウイルスベクタープラスミドを基本骨格とし、2つのRNA polymerase III(pol III)系のプロモーターにより2つのヘアピン型RNAを同時に発現させるベクターである。pSINsi-DK Iは2つのshRNA(short hairpin RNA)をそれぞれhU6プロモーターとhH1プロモーターから発現させる。pSINsi-DK IIは2つのshRNAをそれぞれhU6プロモーターとmU6プロモーターから発現させる。いずれのベクターも同等にshRNAを発現し、2つの遺伝子の同時ノックダウンや一つの遺伝子に対するノックダウン効果の増強に利用できる。マーカー遺伝子としてはネオマイシン耐性遺伝子を搭載している。
本製品はすでにカット済みであり、ベクター本体とプロモーターカセットで構成されている。

内容

pSINsi-DK I DNA Set(製品コード 3663)
pSINsi-DK Vector(linearized)3 μg(0.1 μg/μl)5,361 bp
DK I Promoter Cassette*12.1 μg(35 ng/μl)380 bp

pSINsi-DK II DNA Set(製品コード 3664)
pSINsi-DK Vector(linearized)3 μg(0.1 μg/μl)5,361 bp
DK II Promoter Cassette*23.3 μg(55 ng/μl)599 bp

*1 human U6 promoter(Accession; X07425)とhuman H1 promoter( Accesson;S68670)を搭載。
*2 human U6 promoter(Accession; X07425)とmouse U6 promoter(Accesson;X06980)を搭載。

Vector

Promoter Cassette

【調製】
イオン交換カラムにより精製した後、制限酵素切断処理し、アガロースゲル電気泳動により各DNA断片を精製

保存

-20℃

原理

shRNAを発現させるための2種類の二本鎖合成オリゴDNAとベクター本体、プロモーターカセットの4つのフラグメントを同時にライゲーションすることによって一気にベクターを構築することができる。この4-フラグメントライゲーションには、DNA Ligation Kit<Mighty Mix>(製品コード 6023)が有効である(下図)。

図 4-フラグメントライゲーション

得られたプラスミドを用いて、一過性トランスフェクションで簡単にダブルノックダウンレトロウイルスベクターを獲得することができる。この一過性ウイルス産生は、Retrovirus Packaging Kit EcoまたはAmpho(製品コード 6160/6161)と293T細胞、293細胞を用いることで効率よく行える。一過性に得た組換えレトロウイルスを標的細胞に感染させ、G418含有培地で選択培養することによって遺伝子導入細胞を獲得することができる。pSINsi-ベクターシリーズのレトロウイルスベクタープラスミドは3’LTR U3領域のプロモーター活性を欠損させているため、逆転写後、染色体に組み込まれたプロウイルスの状態では5’LTRのプロモーター活性が消失し、プロウイルス由来のmRNAは転写されなくなっており、pol III系のプロモーターからのヘアピン型RNAとSV40プロモーターからのネオマイシン耐性遺伝子のみが転写される。発現したヘアピン型RNAは細胞内のDicerによる分解を受けてsiRNAとなる。2つの遺伝子を同時にノックダウンした細胞や、1つの遺伝子に対してRNAi効果が増強した細胞を獲得することが可能である。

2つの遺伝子の同時ノックダウン


1つの遺伝子のノックダウン効果の増強
ダブルノックダウンの利用方法

ベクターおよびDK I、DK IIカセットのDNAシーケンスデータ

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