PrimeScript™ II High Fidelity RT-PCR Kit

本製品は、長鎖RNAやGCリッチな領域を含むRNAからも正確性の高いcDNA合成が可能な2ステップRT-PCR用のキットである。
逆転写には、アクセサリータンパク質を用いてPrimeScript RTaseに改良を加え、完全長cDNA合成により威力を発揮するPrimeScript II RTaseを用いている。またPCRには、長鎖やGCリッチなcDNAの増幅に優れたHigh Fidelity PCR酵素PrimeSTAR GXL DNA PolymeraseをRT-PCR用に改良して用いている。
PrimeScript II RTaseはミスプライミングに起因する非特異的伸長が極限まで抑えられているため、高濃度のOligo dT primerを用いて逆転写反応を行ってもcDNAの合成阻害が起こらない。従って高濃度のRNAを鋳型に使用しても効率良い逆転写反応を行うことができる。また、PrimeSTAR GXL DNA Polymeraseは、従来のHigh Fidelity PCR酵素が反応阻害を受ける高濃度の核酸存在下においてもその能力を発揮するため、より広い範囲の鋳型RNA量からcDNA増幅産物を得ることができる。
本キットでは、PrimeScript II RTaseとRNase Inhibitorをプレミックス化したPrimeScript II RT Enzyme Mixを使用している。
本キットは、次のような特長を示す。

• 長鎖RNAやGCリッチな領域を含むRNAから読み間違えの少ないcDNA増幅産物が得られる。
• 逆転写反応において、高次構造を取り得るRNA を鋳型にした場合も42℃で優れた伸長性を示す。
• 反応に使用できるtotal RNA量の許容範囲が非常に広く、使いやすい。

また、プロトコールの一部を変更することで、1ステップRT-PCRにも利用可能である。（1ステップRT-PCRの操作）参照 ）

※ 使用するRNAサンプルが長鎖RNAやGCリッチな領域を含むRNAではなく、さらに高い正確性を必要とするRT-PCRには、PCRにPrimeSTAR Max DNA Polymeraseを用いるPrimeScript High Fidelity RT-PCR Kit（製品コード R022A）をご使用ください。

（50回用）^*1

1.	PrimeScript II RT Enzyme Mix	50 μl
2.	5×PrimeScript II Buffer	200 μl
3.	dNTP Mixture（10 mM each）	100 μl
4.	Oligo dT Primer（50 μM）	50 μl
5.	Random 6 mers（20 μM）	50 μl
6.	PrimeSTAR GXL for RT-PCR	100 μl
7.	5×PrimeSTAR GXL Buffer	500 μl
8.	Control F-1 primer*2（20 μM）	10 μl
9.	Control R-1 primer*3（20 μM）	10 μl
10.	Positive Control RNA（2×105 copies/μl）	20 μl
11.	RNase Free dH2O	1 ml

*1　[ 逆転写反応系20 μl → PCR 反応系50 μl ]の場合の50回分
*2　Positive Control RNA用上流センスプライマー
*3　Positive Control RNA用下流アンチセンスプライマー

－20℃

2ステップRT-PCR（標準プロトコール）の場合

RNAテンプレート	全般
増幅サイズ	13.5 kbの良好な増幅を確認
逆転写酵素	PrimeScript II RTase（至適温度42℃）
DNA Polymerase	PrimeSTAR GXL for RT-PCR
RNase Inhibitor	必要（PrimeScript II RT Enzyme Mixに含まれる）
1st strand cDNA 合成用プライマー	Random 6 mers Oligo dT Primer 特異的下流プライマーより選択可

1ステップRT-PCR（オプションプロトコール）の場合

RNAテンプレート	全般
増幅サイズ	6 kbの増幅を確認
逆転写酵素	PrimeScript II RTase（45℃で使用）
DNA Polymerase	PrimeSTAR GXL for RT-PCR
RNase Inhibitor	必要（PrimeScript II RT Enzyme Mixに含まれる）
1st strand cDNA 合成用プライマー	特異的下流プライマー（PCR時のアンチセンスプライマー）を使用 注：Randomプライマーや Oligo dTプライマーの使用は不可
操作	1本のチューブ内で連続的にRT-PCRを行う