製品説明
TaKaRa PCR Carryover Prevention Kitは、PCRの基質としてdTTPの代わりにdUTPを使用し、ウラシルを含むDNAを分解する酵素であるUNG(Uracil - N - glycosylase)を利用することで、前に行ったPCR増幅産物のキャリーオーバーによる偽陽性を防止するための製品である。PCR前にUNGを作用させると、ウラシルを含む前段階のPCR産物が混入してもUNGにより分解されるが、通常の鋳型DNAは分解されないため、キャリーオーバーの影響を受けずにPCR増幅を行うことができる。
UNGは、一本鎖と二本鎖のウラシルを含むDNAを加水分解するが、RNAに対しては作用しない。本製品には、UNGの他、dUTPを含むdNTP Mixture とMgCl2溶液が添付されている。TaKaRa Taq Hot Start Version(製品コード R007A/B)などのPol I型PCR酵素と組み合わせて使用する。
UNGによる分解
PCR前の25℃、10分の反応で、PCR反応液に混入したウラシルを含むPCR増幅産物中のデオキシリボースとウラシル塩基の間のN-グリコシド結合がUNGにより加水分解され、脱ピリミジン部位が生じる。続いて95℃、2分の熱処理を行うことで、UNGが失活すると同時に、混入DNA断片が脱塩基部位でリン酸バックボーンの加水分解により切断、分解される。
内容
TaKaRa PCR Carryover Prevention Kit(製品コード 6088)
(200回反応分:PCR 50 μl反応系)
保存
-20℃
本製品以外に必要な試薬、機器(主なもの)
- PCR用酵素
【注】 | 校正活性を有するα型酵素はウラシルを含有する鋳型に結合しPCR阻害を引き起こす場合があるため、α型PCR酵素およびα型PCR酵素を含有するブレンド酵素と本製品を組み合わせて使用することは推奨しない。 |
- マイクロピペット
- マイクロピペット用チップ
- サーマルサイクラー
コンポーネントの別売り