製品説明
NucleoBond RNA Soil Miniは、土壌や堆積物からRNAを精製するためのキットであり、NucleoBond RNA Soilキットの小スケールタイプである。さらに、DNA Set for NucleoBond RNA Soil Miniと組み合わせることにより、同一サンプルから同時にDNAの精製もでき、ゲノムDNAと転写産物を合わせて解析するメタゲノム研究にも利用可能である。
ほとんどの土壌サンプルはDNA量と比較してRNA量は少量であるため、解析に必要となるRNA量を得るためには、多くのサンプル量からの核酸抽出が必要となる。本キットの標準プロトコールでは、0.25~0.5 gの土壌サンプルを入れたMN Bead Tubes Type Aを1本使用し、そこからRNAを精製する。このサンプル量から通常0.25~2.5 μgのRNAが精製可能である。
土壌中の微生物は、Lysis Buffer E1とフェノールクロロホルムイソアミル溶液(別途購入必要)存在下、ビーズによって破砕され溶解される。
Buffer OPTは粘土質や鉱物土壌への核酸の吸着を抑える効果を持つため、河川堆積物や粘土などの鉱物質が多いサンプルからの核酸精製に有効である。しかし、Buffer OPTを使用するとフミン酸の混入が増えるため、森林土壌などの有機物や腐植物が多いサンプルには使わない方が良い。
サンプル溶解後、不溶物を遠心により沈殿させ、全ての上清を1.5 mlチューブへ移し、Binding Buffer E2を加える。Buffer EQUで平衡化したNucleoBond RNA Mini Columnに核酸を含む上記溶液を添加し、カラムに核酸を結合させる。Wash Buffer E3とE4で洗浄後、RNAはBuffer ERNAで溶出される。RNA溶出液にイソプロパノールを加えた後、NucleoSpin RNA Columnに添加し、Buffer E5で洗浄後、RNase-free H
2Oで溶出することで高純度のRNAが精製できる。
DNA Set for NucleoBond RNA Soil Mini(別売)を使用することでRNAと同時にDNAも精製することが可能である。
(注)本製品の使用には撹拌式細胞破砕装置(Vortex-Genie 2 (サイエンティフィックインダストリーズ社)+MN Bead Tube Holder(製品コード 740469)でも代用可能)が必要です。
原理 | 陰イオン交換クロマトグラフィー法 |
形状 | 自然落下型カラム |
サンプル | 0.25~0.5 g 土壌 |
RNAフラグメントサイズ | ≧100 bases |
回収量 | 0.25~2.5 μg |
A260/280 | 1.5~2.0 |
標準的RIN | >7.0 |
溶出液量 | 50~100 μl |
精製時間 | 60分 |
結合容量 | 30 μg |
図1.NucleoBond RNA Soil MiniによるRNA精製
2種類の土壌サンプルからNucleoBond RNA Soil MiniまたはNucleoBond RNA Soilを使用してそれぞれの標準プロトコールに従ってduplicateでRNA精製を行った。NucleoBond RNA Soil MiniではNucleoBond RNA Soilの1/4量のサンプルを処理した。100 μlで溶出後、吸光度で核酸収量を測定した。NucleoBond RNA Soil MiniによるRNAの収量はNucleoBond RNA Soilと比較して1/3~1/4で精製に使用したサンプル量をよく反映しており、ロスなくRNAが精製できていることがわかった。
図2.NucleoBond RNA Soil MiniによるDNA精製
2種類の土壌サンプルからNucleoBond RNA Soil Mini+DNA Set for NucleoBond RNA Soil MiniまたはNucleoBond RNA Soil+DNA Set for NucleoBond RNA Soilを使用してDNA精製を行った。NucleoBond RNA Soil MiniではNucleoBond RNA Soilの1/4量のサンプルを処理した。100 μlで溶出後、吸光度でDNAの核酸収量を測定した。DNAの収量は1/3~1/4で精製に使用したサンプル量をよく反映しており、DNAについてもロスなく精製できていることがわかった。
内容
NucleoBond RNA Soil Mini
・Lysis Buffer E1
・Buffer OPT
・Equilibration Buffer EQU
・Binding Buffer E2
・Wash Buffer E3
・Wash Buffer E4
・RNA Elution Buffer ERNA
・Wash Buffer E5 (Concentrate)
・RNase-free H2O
・MN Bead Tubes Type A
・NucleoBond RNA Mini Columns
・NucleoSpin RNA Columns
・Plastic Washers
DNA Set for NucleoBond RNA Soil Mini
・DNA Elution Buffer EDNA
・Wash Buffer E5 (Concentrate)
・RNase-free H2O
・NucleoSpin DNA Columns
・Collection Tubes
本製品以外に必要な試薬、機器(主なもの)
- 試薬
- ・Phenol:Chloroform:Isoamylalcohol (25:24:1 v/v)
- ・96~100%エタノール
- ・イソプロパノール
- 器具
- ・1.5 ml, 2 ml 遠心チューブ
- ・微量高速遠心機
- ・サンプル破砕装置:
Vortex-Genie 2 (サイエンティフィックインダストリーズ社)+MN Bead Tube Holder(製品コード 740469)など
MN Bead Tube Holder(製品コード 740469)
この製品の使用方法はこちらをご覧ください。
保存
室温
【注意】Buffer E1にはSodium dodecyl sulfate(SDS)が含まれているため、20℃以下では沈殿が生じる時がある。30~40℃で数分間の保温により沈殿を溶解後、良く混合して使用する。
操作手順
用途
- 土壌、飼料からのtotal RNA精製
- 精製RNAはリアルタイムRT-PCRなどに使用可能
NucleoBondはマッハライ・ナーゲル社の登録商標です。