製品説明
ノロウイルス(NoV)は急性胃腸炎の主要な原因ウイルスであり、組織培養法などを用いた分離・検出が困難なため、RT-PCR法やリアルタイムRT-PCR法などによって、ウイルスの検査診断が行われています。本製品は、リアルタイムRT-PCR法により検便検体からノロウイルス(GI およびGII)遺伝子を検出するためのキットであり、大量調理施設衛生管理マニュアル*に則った検査が可能です。また、上記NoVに加えて、ヒト腸管内で優勢な菌種であるBacteroides属の16S rRNAを内在性コントロール(Endogenous Control: EC)として検出します。これにより、ヒト糞便検体の添加有無を客観的に判別することが可能です。
* 「大量調理施設衛生管理マニュアル」(平成9年3月24日付け衛食第85号別添 最終改正:平成29年6月16日付け生食発0616第1号)に記載された「概ね便1 g当たり105オーダーのノロウイルスを検出できる検査法」に対応しています。
特長
- 1チューブでGI遺伝子、GII遺伝子、外因性コントロール(IC)に加えて内在性コントロール(EC)を検出
ヒト糞便検体用の内在性コントロールとして、ヒト腸内で優勢な菌種であるBacteroides属の16S rRNAを検出することで、便検体が反応液へ適切に添加されたかどうかを客観的に確認することができます。
<判定イメージ>
- 反応液が調製済み!検便懸濁液上清を添加するだけ
マスターミックス調製の手間が不要で、より安定した検査が可能です。
- 専用懸濁液で、鋳型添加を色でチェック可能
専用のSuspension Buffer(黄色)で検便検体を懸濁することで、反応液への鋳型添加の有無を視覚的に確認でき、作業ミスの防止に役立ちます。
- 「リアルタイムPCR法」で「大量調理施設衛生管理マニュアル」に則った検査が可能
「大量調理施設衛生管理マニュアル」(平成9年3月24日付け衛食第85号別添 最終改正:平成29年6月16日付け生食発0616第1号)に記載された「概ね便1 g当たり105オーダーのノロウイルスを検出できる検査法」に対応しています。
- PCR増幅産物のキャリーオーバーによる偽陽性を防止
UNG(ウラシル-N-グリコシラーゼ)の働きにより、キャリーオーバーしたPCR産物を分解して偽陽性を防止することができます。
【検出対象遺伝子とプローブ標識】
検出対象遺伝子 | プローブ標識 |
GI遺伝子 | ROX(レポーター)/ダーククエンチャー |
GII遺伝子 | Cyanine5(レポーター)/ダーククエンチャー |
外因性コントロール(IC) | FAM(レポーター)/ダーククエンチャー |
内在性コントロール(EC) | HEX(レポーター)/ダーククエンチャー |
※内在性コントロールの検出結果を参照せずに使用することも可能です。
内容
TaKaRaノロウイルスGI/GII検出キット (4波長) 1液タイプ (製品コード RR208A)
Suspension Buffer NV(製品コード 9184)
Suspension Buffer NV
*2 100 ml
*1 酵素、基質、プライマー、蛍光標識プローブを含みます。遮光に留意してください。
*2 色素を含んでいるため、遮光に留意してください。
保存
-20℃
※NV RT-PCR Perfect Mix 3とSuspension Buffer NVは、短期間であれば4℃保存が可能です。
4℃保存の場合
NV RT-PCR Perfect Mix 3は、1ヵ月以内に使用してください。
Suspension Buffer NVは、6ヵ月以内に使用してください。
本製品以外に必要な器具、機器(主なもの)
- 【器具】
-
- マイクロピペット
- マイクロピペット用チップ(疎水性フィルター付)
- 【機器】
-
補足資料など
【判定ツール】
本製品での取得データから、陰性または陽性(+、++、+++)を判定するツールを用意しています。
現在、下記の装置に対応しています。
- CFX96 Touch Deep Well Real-Time PCR Detection System(Bio-Rad社)
- LightCycler 96 System(Roche Diagnostics社)
- Applied Biosystems 7500 Fast Real-Time PCR System(Thermo Fisher Scientific社)
- QuantStudio5 リアルタイムPCRシステム(Thermo Fisher Scientific社)
本製品をご購入いただいた方に無償でご提供いたします。詳しくはお問い合わせください。