コールドショック発現系について

コールドショック発現系について

37℃で培養している大腸菌の培養温度を低温にシフトさせると生育は一時的に停止し、大部分のタンパク質の発現は減少するがCold Shockタンパク質と呼ばれるタンパク質(CSPs)は特異的に増加する。このメカニズムに注目し、タカラバイオと米国ニュージャージー医科歯科大学井上正順教授によって共同で開発されたのがコールドショック発現ベクター、pColdシリーズである。従来の大腸菌発現系と比較して目的のタンパク質を効率的にかつ高純度で得ることができる。
コールドショック発現系について
コールドショック発現系の3つの利点
  1. 余分なタンパク質が少ない。
    低温培養により大腸菌由来のタンパク質発現は低下するため、目的タンパク質発現の割合は高く、最大で新生タンパク質の90%に達する。これにより、目的タンパク質を容易に効率よく精製でき、また、同位体標識に利用すると効率的なラベリングが可能である。
  2. 可溶性発現が向上。
    低温発現により、目的タンパク質は緩やかに立体構造を形成する。従来のT7系では不溶性発現であっても、コールドショック発現系では目的タンパク質の可溶性が改善されるケースが多くみられる。シャペロンプラスミドとの併用でさらに可溶性発現の向上が期待できる。
  3. 高い生産効率。
    低温培養のため夾雑プロテアーゼ等の活性が低く、目的タンパク質が分解されにくく完全な形で得られ、高い収率が期待できる。(ほとんどの大腸菌を宿主として使用可能。)

コールドショック発現ベクター pColdシリーズ 一覧

目的に合わせて、可溶化タグの種類、Hisタグ配列の有無などを選択してください。
製品名GenBank
Accession No.
可溶化タグHis-Tag タグ切断に使用できる酵素 翻訳促進配列(TEE)
pCold GST DNAGST Factor Xa*1、HRV 3C Protease*2
pCold ProS2 DNAProS2
(Protein S)
HRV 3C Protease*2、Thrombin*2、Factor Xa*2
pCold TF DNAAB213654TF
(Trigger Factor)
HRV 3C Protease*2、Thrombin*2、Factor Xa*2
pCold I DNAAB186388 Factor Xa*1
pCold II DNAAB186389
pCold III DNAAB186390
pCold IV DNAAB186391
*1 Hisタグ配列を除去   *2 Hisタグおよび可溶化タグ配列を除去

    pColdシリーズの使い分けについて
  • Hisタグ配列をもつベクターを利用すれば、Hisタグを利用した目的タンパク質のアフィニティー精製が可能である。
  • 目的タンパク質のN末端に余分なアミノ酸配列が付加されることが望ましくない場合は、タグ配列をFactor Xaで切断することができるpCold I DNA、あるいは翻訳促進配列(TEE)やタグ配列がないpCold IV DNAをお勧めする。
  • pCold I~IV DNAで目的タンパク質が発現しなかった場合や可溶化しなかった場合には、可溶化タグと融合発現を行うpCold TF DNA、pCold ProS2 DNA、pCold GST DNAを使用することをお勧めする。

Q&A

大腸菌コールドショック発現系(発現・精製)について、よくある質問をまとめました。
ご活用ください。
Q & A 【pCold DNAシリーズ】

コールドショック発現ベクター 製品ガイド


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