pCold GST DNAは、コールドショックベクターをベースとして大阪大学蛋白質研究所の児嶋長次郎准教授により開発された、
Schistosoma japonicum由来のグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)を可溶化タグとして利用する発現ベクターである。GSTを目的タンパク質のN末端側に融合発現させることで、融合タンパク質の安定性と可溶性の向上が期待できる。
本ベクターでは、
cspAプロモーターの下流に5’非翻訳領域(5’UTR)とtranslation enhancing element(TEE)、Hisタグ、GSTタグ、multi-cloning site(MCS)などが配置されている(下図)。また、プロモーターの下流には発現を厳密に制御するための
lac operatorが挿入されている。
GSTタグ融合タンパク質は親和性の高いアフィニティー精製が可能であり、さらにGSTタグとMCSの間には融合タンパク質からタグを除去するために特異性の高いHRV 3C Proteaseの認識配列が挿入されている。HRV 3C Proteaseは至適温度が4~5℃と低いため、目的タンパク質に対して穏やかな条件でタグ切断反応を行うことができる。
また、pCold GST DNAは大腸菌のプロモーターを用いているため、他のpCold DNAシリーズと同様に、ほとんどの大腸菌株を発現用宿主として利用可能である。
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