レンチウイルスベクター作製

高効率かつ安定な遺伝子導入システム
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特長

  • 国内の研究施設で実施
  • タカラバイオ製品のpLVSINベクター、pLVproベクターを利用いただけます
  • 安定発現細胞作製も承ります

概要

レンチウイルスベクター作製受託サービスでは、タカラバイオオリジナルの一過性ウイルスベクター産生システムを用いて、目的遺伝子を搭載した高力価のレンチウイルスベクターを作製いたします。

レンチウイルスベクターを用いた遺伝子導入法は、一般的に以下の利点を持ち、動物細胞への効果的な遺伝子導入法として、多くの遺伝子導入実験に利用されています。
  1. 初代培養細胞、幹細胞、神経細胞、非分裂細胞を含むほぼ全ての哺乳類細胞に遺伝子導入できる。
  2. 安定な遺伝子導入細胞株を得ることができる。
  3. ヒト、マウスおよびラットを含む多くの動物細胞に遺伝子導入できる。
  4. 動物個体に直接遺伝子導入できる。

  • pLVSINベクター
    3'LTR/ΔU3のSIN型ベクターであるため、P2実験施設で使用可能です。
    mRNAを安定化するWPRE配列、ウイルスゲノムの核移行や宿主染色体への組換え効率を高めるcPPT配列などにより、高力価レンチウイルスの産生および導入遺伝子の発現レベルが向上したベクターです。
    Packaging MixはTatタンパク質発現プラスミドを含む「Lentiviral High Titer Packaging Mix」を用います。
    pLVSINベクター
  • pLVproベクター
    pLVproベクターはpLVSINの5’LTRのU3領域をCMVプロモーターに置き換えたHIV-1 Tat非依存性の第三世代レンチウイルスベクターです(下図 ポイント①)。P2実験施設で使用可能です。
    pLVSINからHIV-1由来の配列を極限まで排除し安全性を高め(下図 ポイント②、③)、高力価のレンチウイルスベクター調製のためにパッケージングシステムを最適化したベクターです。コンポーネントが減った分、搭載可能な目的遺伝子の長さが5 kb(推奨)まで増えました。
    Packaging MixはTatタンパク質発現プラスミドを含まない「LVpro Packaging Mix」を用います。
    pLVproベクター

サービス内容

レンチウイルスベクター作製
レンチウイルスベクター作成の流れ pLVSIN-CMV/EF1α Vector Lentiviral High Titer Packaging Mix with pLVSINシリーズ レンチウイルスqRT-PCR迅速タイター測定キット

フロー図


本受託サービスでは、レンチウイルスを産生するために必要なタンパク質を発現するプラスミドMix(Packaging Mix)と、レンチウイルスベクタープラスミドを宿主細胞に同時にトランスフェクションすることによって、一過性にレンチウイルスベクターを取得します。
エンベロープはヒトを含む広範な生物種に感染可能なVSV-Gを使用します。
トランスフェクション後の培養上清をフィルターろ過してレンチウイルスベクター液とし、小分け分注して納品いたします。
作製したウイルスベクター液の力価は、Lenti-X qRT-PCR Titration Kitで測定したRNAタイターを報告いたします。

※タカラバイオ取扱いベクター以外を使用する場合は、別途ご相談ください。
※この段階でin vitroの実験にご使用いただくことができます。
※ウイルスベクターの力価は、測定方法により異なります。また、ウイルスベクター液の組成、測定に使用する細胞や血清などの影響により、同じ方法であっても施設によって異なることがあります。ご了承ください。


【オプションサービス】
プラスミドDNA調製
  • 目的の遺伝子を挿入した発現プラスミドDNA作製
  • 挿入遺伝子のサイズ、挿入遺伝子(接続部位を含む)の塩基配列を確認
    ※pLVSIN-CMV、pLVSIN-EF1α Vector、pLVproシリーズを使用します。
薬剤耐性コロニー検出法による力価測定
  • 薬剤による選択後、薬剤耐性コロニーを検出し、感染力価を測定
    ※ネオマイシン耐性コロニー検出法の標的細胞には、ヒトHT1080細胞を使用いたします。ウイルス力価として得られる数値は、ウイルス液1 mlあたりのネオマイシン耐性コロニー形成能を示します(Neomycin colony forming unit/ml)。
レンチウイルスベクターによる遺伝子安定発現細胞株作製
  • レンチウイルスベクターの作製
  • 標的細胞のセットアップ、レンチウイルスベクターによる遺伝子導入
  • 薬剤耐性となった目的遺伝子導入プール細胞の調製
  • リアルタイムPCRによる目的遺伝子の発現確認
レンチウイルスベクターの大量調製(ご希望のスケール)
ウイルスベクターの簡易濃縮(約100倍まで)または超遠心分離による精製(VSV-Gシュードタイプウイルス)

■サービス詳細は技術資料をご覧ください(閲覧にはWEB会員ログインが必要です)。
レンチウイルスベクター作製ウェブ会員限定技術資料

GMP製造はこちら

価格・納期

サービス項目
参考価格 参考納期
レンチウイルスベクターの作製*1
[2種類]
各10 ml(リアルタイムPCR力価測定)
各40 ml(リアルタイムPCR力価測定)
¥1,900,000
¥2,250,000
8~9週間
(オプション)
プラスミドDNAの構築*2

¥170,000~/件
※遺伝子長で変動
4~7週間
(オプション)
レンチウイルスベクターによる遺伝子安定発現細胞株作製
¥1,500,000~ 12週間~

*1 培養のスケールアップや精製方法など、ご相談により作業内容の変更が可能です。

*2 目的遺伝子2種としてプラスミドDNA調製が2件発生する場合、調製費用が2件になります。

<作業仕様>
  -宿主細胞(293T)の培養
  -プラスミドトランスフェクションによるレンチウイルス一過性発現
  -ウイルスベクターを含む培養上清を回収し0.22 μmフィルター処理し充填
  -Lenti-X qRT-PCR Titration Kit(製品コード 631235)を用いたウイルスRNAタイター測定
  -作業報告書作成

納品物

  • レンチウイルスベクター液 約10 ml×2種類、参考タイター 107~109 copies/ml
  • 作業報告書

ご注文方法

  • 以下のフォーマットにご記入のうえ、電子メールにてこちらへご送付下さい。
  • 以下の手続きの後に実際のサービスを開始します。
    1. 挿入遺伝子に関する情報を開示ください。 < 遺伝子情報書式用紙 ver.7
      タカラバイオの遺伝子組換え実験安全委員会への申請に必要な情報(遺伝子産物の性質、塩基配列等)をお知らせいただきます。
      電子ファイルに必要事項をご記載後、メールでお送りください。フラッシュメモリやCD-R等の媒体での郵送も受け付けます。
      なお、配列情報の郵送、メール送信の際には情報漏洩に充分ご注意ください。(弊社では責任を負いかねます)
      情報の扱いには十分注意を払っております。また、情報開示にあたり、秘密保持契約を必要とされる場合はご用意いたします。
    2. タカラバイオの安全委員会において、開示いただいた遺伝子情報をもとに、必要とされる物理的封じ込めレベルを判断し、折り返しご連絡させていただきます。
      P2レベル以下で扱うことができない遺伝子の場合、サービスをお断りすることになります。

受入サンプル

・プラスミドDNAの構築からの場合プラスミドDNA3 μg以上
・レンチウイルスベクターの作製からの場合プラスミドDNA50 μg以上

ご留意事項

  • 本作業で作製したレンチウイルスベクターを商業目的で使用される場合には、個別にライセンス契約の締結が必要となる場合があります。
  • レンチウイルスベクターの取り扱いは、挿入されている遺伝子の全塩基配列が既知で、かつ、その遺伝子が毒性あるいは病原性等を示さず安全であると判断できる場合に限りP2レベルで扱うことができます。本サービスでは、P2レベルで扱うことのできる場合のみ、ご依頼をお受けしています。
  • お客様よりご提供いただいたサンプル・情報および納品物の複製物は、別途期限を定めている場合を除き、業務終了後3ヵ月を経過すると順次廃棄いたします。ご了承ください。
注意事項
  • 本受託サービスは、個別に合意した場合を除き、すべて研究目的として作業を行います。納品物を試験研究目的以外へご使用される場合、弊社では納品物に起因する損失・損害等については一切の責任を負いかねます。納品物によっては、その構成物(例えば、ベクター、蛍光色素など)の使用に制限がある場合がありますのでご注意ください。
  • 納品物に起因して、直接的もしくは間接的に発生したお客様の損害については、明らかに弊社の責に帰すべき事由による場合を除いて、弊社は一切その責任を負いません。
  • ウェブサイトに掲載している会社名および商品名などは、各社の商号、または登録済みもしくは未登録の商標であり、これらは各所有者に帰属します。