特長
- pcnB遺伝子の欠損で、本株中ではpUC系プラスミドのコピー数が減少
- 高コピーベクターでは難しかった、大腸菌生育阻害のかかる遺伝子のクローニングにおススメ
※実験例を「技術情報」に掲載しています。ぜひご覧ください!
製品説明
E. coli HST16CR Competent Cellsは高効率コンピテントセルとして実績のあるE. coli HST08 Premium Competent Cellsをベースに、ColE1 oriの複製に関係する遺伝子pcnBを欠損させた株である。pcnBの欠損により、pUC系ベクターで形質転換を行った場合にベクターのコピー数が低くなるため、高コピーベクターではクローニングが難しい膜貫通ドメインを持つタンパク質等、大腸菌の生育を阻害する遺伝子のクローニングに有効である。
E. coli HST08 Premium Competent Cellsをベースにしているため、外来のメチル化DNAを切断する遺伝子群(mrr-mcrBC-hsdRMS)、mcrAを欠失しており、メチル化されたDNAのクローニングも可能である。
また、pUC系プラスミドでの形質転換の際には、β-ガラクトシダーゼのα-相補性を利用し、X-Gal添加による青白選択を行うことができ、容易に組換え体を選別できる。
※ X-Gal:5-Bromo-4-Chloro-3-Indolyl-β-D-Galactoside
内容
E. coli HST16CR Competent Cells | 100 μl×10本 |
pUC19 DNA (0.1 ng/μl) | 10 μl |
SOC Medium* | 1 ml×10本 |
* SOC Mediumの組成 :
2% | | Tryptone |
0.5% | Yeast extract |
10 mM | NaCl |
2.5 mM | KCl |
10 mM | MgSO4 |
10 mM | MgCl2 |
20 mM | Glucose |
【ご注意】
SOC Mediumを溶かした際に、稀に沈殿が生じる場合がありますが、品質には全く問題ありません。
沈殿が生じた場合は、室温で混ぜるかもしくは37℃で数分間温めて沈殿を溶かしてご使用ください。
保存
-80℃
品質
形質転換効率
プラスミドベクターを用いて形質転換する場合の方法により1 ngのpUC19プラスミドで形質転換し、Amp+のプレートでコロニーを選別した。
このとき、> 1×108 colonies/μg・pUC19プラスミドDNAの効率を得た。
β-ガラクトシダーゼのα-相補性の確認
pUC19プラスミドを用いて形質転換を行い、100 μg/mlのアンピシリン、60 μg/ml
X-Galを含むL-寒天培地にプレートした場合、青色のコロニーが出現することを確認している。
Genotype
F
-,
endA1,
supE44,
thi-1,
recA1,
relA1,
gyrA96,
phoA, Φ80d
lacZΔ
M15, Δ(
lacZYA-
argF)U169, Δ(
mrr-
hsdRMS-
mcrBC), Δ
mcrA, Δ
pcnB, λ
-
(K-12株由来大腸菌)
Cell density
1~2×109 bacteria/ml
プラスミドスクリーニングに使用する抗生物質と選択濃度
抗生物質 | アンピシリン | カナマイシン | クロラムフェニコール | ストレプトマイシン | テトラサイクリン |
濃度(μg/ml) | 100 | 50 | 20 | NA | NA |