製品説明
NucleoSpin Plasmid Transfection-gradeは、改良したアルカリ溶解法によってトランスフェクション可能なプラスミドDNAを取得できるミニプレップキットである。5 mlまでの大腸菌培養液からシリカメンブレンにDNAを結合させることでプラスミドDNAを精製できる。またこのキットではエンドトキシン除去用のDetoxification Buffer ERBによる洗浄ステップが追加されており、エンドトキシンの混入を抑えたDNA精製を行うことができる。
精製プラスミドDNAは、Buffer AE(5 mM Tris-HCl, pH8.5)により低イオン強度条件下で溶出されるため、トランスフェクションなど一般的な実験に直接使用できる。
原理 | シリカメンブレン法、エンドトキシン低減法 |
形状 | ミニスピンカラム |
エンドトキシン量 | <50 EU/μg DNA |
推奨する大腸菌培養液量 | ≦5 ml(高コピープラスミド) |
プラスミドDNAサイズ | <25 kb |
回収量 | 15~30 μg |
A260/280 | 1.80~1.85 |
溶出液量 | 30~50 μl |
精製時間 | 14分 |
結合容量 | 35 μg |
操作手順
図1.各精製法でのエンドトキシン残量
精製プラスミド溶液中のエンドトキシン残量を定量LALアッセイ(比色法)により測定した。エンドトキシン残量は、プラスミド精製法により大きく違っていた。NucleoSpin Plasmid Transfection-gradeを使用して精製されたプラスミドでは、エンドトキシンは低レベルであり、通常の株化培養細胞へのトランスフェクションにそのまま使用できることが分かった。
図2. 細胞生存率の比較
NucleoSpin Plasmid Transfection-gradeで精製したプラスミドを用いて、HEK293細胞への遺伝子導入実験を行った。Lipofectoamine 2000(Thermo Fisher Scientific社)によるlipofectionおよびLonza社の機器を用いたnucleofectionの2つの手法を用いて導入実験を行い、プラスミドの添加の有無で細胞の生存率を比較した。プラスミドの有無でほぼ生存率に違いはなく、NucleoSpin Plasmid Transfection-gradeで精製したプラスミドがHEK293細胞へのトランスフェクションに使用できることが示された。
内容
・Resuspension Buffer A1
・Lysis Buffer A2
・Neutralization Buffer A3
・Detoxification Buffer ERB
・Wash Buffer AQ (Concentrate)
・Elution Buffer AE*
・RNase A(凍結乾燥品)
・NucleoSpin Plasmid TG Columns (blue rings)
・Collection Tubes (2 ml)
* 組成:5 mM Tris-HCl, pH8.5
保存
室温
(RNase Aを添加したBuffer A1は4℃で保存する。6ヵ月間安定)
※Buffer A2にはSDSが含まれているため、20℃以下で保存すると、沈殿が生じることがある。
沈殿が生じた場合は、30~40℃で数分間、ボトルを保温し、混合して溶解した後に使用する。
本製品以外に必要な試薬、機器(主なもの)
- 試薬
- ・96~100%エタノール
- 器具
- ・1.5 mlマイクロ遠心チューブ
・微量高速遠心機
NucleoSpinはマッハライ・ナーゲル社の登録商標です。