pSINsiベクターシリーズ

shRNA発現用レトロウイルスベクター
製品コード メーカー
略称
製品名 容量 価格(税別) 特記事項 説明書、CoA
データシート
ベクター情報
参考資料 カート
Takara Code
3660

TKR

タカラバイオ(株)
pSINsi-hH1 DNA
20 μg ¥52,000
説明書・データシート・ベクター情報
3660
3661

TKR

タカラバイオ(株)
pSINsi-hU6 DNA
20 μg ¥52,000
説明書・データシート・ベクター情報
3661
3662

TKR

タカラバイオ(株)
pSINsi-mU6 DNA
20 μg ¥52,000
説明書・データシート・ベクター情報
3662
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製品説明

pSINsiベクターシリーズは、自己不活型レトロウイルスベクタープラスミドを基本骨格とし、RNA polymerase III (pol III) 系のプロモーターによりヘアピン型RNAを発現させるベクターである。pol III系のプロモーター(human H1、human U6、またはmouse U6)の下流のクローニングサイトにヘアピン型RNAを発現させるための合成オリゴDNA配列を挿入することによって、siRNA発現レトロウイルスベクタープラスミドが得られる。マーカー遺伝子としてはネオマイシン耐性遺伝子を搭載している。siRNA発現レトロウイルスベクタープラスミドから、Retrovirus Packaging Kit Eco/Ampho(製品コード 6160、6161)などを用いて、組換えレトロウイルスを調製することができる。

保存

-20℃

制限酵素地図

pSINsiベクターシリーズではプロモーターの異なる3種のプラスミドベクターを用意している。
pSINsi-hH1 DNA: human H1 promoter (Accession S68670)を搭載。
pSINsi-hU6 DNA: human U6 promoter (Accession X07425)を搭載。
pSINsi-mU6 DNA: mouse U6 promoter (Accession X06980)を搭載。
pSINsi-hH1 DNAの制限酵素地図
pSINsiベクターの制限酵素地図

各ベクターのDNAシーケンスデータ

ZIP形式で圧縮しておりますが、StuffIt Expander等でも解凍できます。
【注意】シーケンス上では、1259の位置(プロモーター上流、Hind IIIとEcoR Iの間)にCla Iサイトがありますが、通常のdam+大腸菌で調製したプラスミドは、dam methylaseによる影響を受けるため、1259位置のCla Iサイトは切断されません。

原理

pSINsiベクターシリーズのレトロウイルスベクタープラスミドは3'LTR U3領域のプロモーター活性を欠損させている。そのため、逆転写後、染色体に組み込まれたプロウイルスの状態では5'LTRのプロモーター活性が消失し、プロウイルス由来のmRNAは転写されなくなっており、pol III系のプロモーターからのヘアピン型RNAとSV40プロモーターからのネオマイシン耐性遺伝子のみが転写される。
発現したヘアピン型RNAは細胞内のDicerによる分解を受けてsiRNAとなる(下図参照)。
ヘアピン型RNA発現ベクター
ヘアピン型RNA発現ベクター

ヘアピン型RNAを発現させるためのDNA合成

ヘアピン型RNAを発現させるためには、[Ligation用の制限酵素サイト+標的配列(センス)+ループ配列+標的配列(アンチセンス)+ターミネーター配列+Ligation用の制限酵素サイト]の順でデザインした合成DNAをプロモーターの下流に挿入する。pSINsiベクターのクローニングサイトは、上流側はBamH I、下流側はCla Iである。
下図に示すような合成オリゴDNAを作製する(Top strandとBottom strandの2本; N部分が標的配列)。U6プロモーターの転写開始点はプリン塩基(GまたはA)が好ましいため、標的配列がGまたはAで始まらない場合は標的配列の前にGまたはAを挿入する。
ここではループ配列の例としてCTGTGAAGCCACAGATGGG(Boden et al. 参考文献 1)を挙げているが、GTGTGCTGTCC(Miyagishi et al. 参考文献 2)も有用であることが確認されている。また、これ以外のヘアピンループとして、Lee et al.(参考文献 3)、Paddison et al. (参考文献 4)、Paul et al.(参考文献 5)、Sui et al. (参考文献 6)らによってそれぞれ異なった配列が報告されている。
ターミネーター配列には、TTTTTT配列を用いる(Tが4つ続くとpol III系プロモーターによる転写が止まる)。siRNA配列と用いるヘアピンループ配列の組み合わせによってはTが4つ以上続く可能性があるため、合成DNAをデザインした後には必ず、Top strandにTが4つ以上続いていないことを確認することが必要である。

siRNA発現用組換えレトロウイルス作製の概要

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