製品説明
本製品は、タカラバイオが独自に開発したリアルタイムPCRを用いてアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターの力価を測定するためのキットである。本製品にはAAVベクター産生細胞からAAVベクターを抽出し、リアルタイムPCRによりベクターゲノムを定量するために必要な試薬が含まれている。従来法であるDNAブロット法やELISA法と比較して、高精度かつ短時間で結果を得ることができる。両末端に存在するITR(Inverted Terminal Repeat)をターゲット配列としてAAVベクターゲノムを検出するため、幅広いAAVベクターの力価測定が可能である
*1。AAVpro Titration Kit (for Real Time PCR) Ver.2ではPositive Controlの安定性が向上している
*2。
*1 | 本製品はAAV2由来のITRをターゲットとしてベクターゲノム量を定量するキットであり、ウイルス粒子内に封入されているベクターゲノムのITR領域がAAV2由来であれば、血清型に関わらず本製品を使用することができる。
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*2 |
従来のAAVpro Titration Kit (for Real Time PCR)に比べて力価が低く算出される場合がある。
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図. AAVベクター及びベクターゲノム抽出工程の概略 内容
1. AAVベクターの抽出
AAV Extraction Solution A | 1.5 ml×2 |
AAV Extraction Solution B | 300 μl |
2. AAVゲノム簡易抽出(100サンプル分)
DNase I | 100 μl |
10×DNase I Buffer | 200 μl |
Lysis Buffer | 1 ml×2 |
3. Real Time PCR(100反応分;25 μl反応系)
TB Green Premix Ex Taq II (Tli RNaseH Plus) | 625 μl×2 |
AAV Forward Titer Primer | 20 μl |
AAV Reverse Titer Primer | 20 μl |
dH2O | 1 ml×3 |
ROX Reference Dye | 50 μl |
ROX Reference Dye II | 50 μl |
Positive Control | 50 μl |
EASY Dilution (for Real Time PCR) | 1 ml×5 |
保存
TB Green Premix Ex Taq II(Tli RNaseH Plus):4℃、遮光(長期保存の場合は-20℃保存、融解後は4℃保存)
その他のコンポーネント:-20℃(AAV Extraction Solution A、B及びLysis Bufferは融解後は室温保存)
キット以外に必要な主な器具・試薬
・細胞培養に必要な一般的設備
・0.5 M EDTA (pH8.0)(EDTA Buffer Powder, pH8.0(製品コード T9191))
・ヒートブロック(37℃、70℃、95℃)
※ AAVゲノムの抽出工程にはThermal Cyclerを使用すると便利です。
・リアルタイムPCR装置および専用チューブ
Thermal Cycler Dice Real Time System II (製品コード TP900/TP960:終売)
Thermal Cycler Dice Real Time System Lite(製品コード TP700/TP760:終売)
Applied Biosystems 7500 Fast Real-Time PCR System(Thermo Fisher Scientific社)
StepOnePlus Real-Time PCR System(Thermo Fisher Scientific社)など
関連資料
使用上の注意
本製品をご利用の際は、以下の点にご注意ください。
- 本製品はアデノ随伴ウイルスベクターを含むものではなく、また本製品の使用によりアデノ随伴ウイルスベクターが産生されるものではありません。しかしながら、本製品の使用対象であるアデノ随伴ウイルスベクターの使用には文部科学省の定める省令(「研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令」平成16年文部科学省・環境省令第1号)にあるP1レベル以上の施設が必要です。
- 本製品ご利用の際は省令および組織内の組換えDNA実験安全委員会の指示に従い、安全には十分ご注意ください。
- アデノ随伴ウイルスベクターによって生産されるウイルスは挿入断片によっては危険なウイルスを含む恐れがあるため、組換えウイルスの生産と取扱いには、適切な処置をとる必要があります。吸入や付着を防ぐために必ず、安全キャビネットを使用してください。
- 本製品の使用には遺伝子工学と細胞培養に関する基本的な技術が必要です。