Guide-it Mutation Detection Kitは、CRISPR/Cas9、zinc-finger nucleases(ZFNs)、transcription-activator-like effector nucleases(TALENs)などの人工ヌクレアーゼを用いた変異導入を確認するためのキットである。細胞ゲノム上に導入された挿入や欠失をPCRベースの手法で簡単、迅速に検出できる。
本製品では、Terra PCR Direct Polymerase Mixを用いることで、DNA精製を行うことなく、細胞ライセートから直接ターゲット配列を増幅することができる。
操作は、目的の細胞プールからターゲット配列を含む領域をPCR増幅し、増幅産物の変性、アニーリングを行った後、Guide-it Resolvaseによる切断処理を行う。アニーリングによってミスマッチが生じると、Guide-it Resolvaseによる切断が起こる。電気泳動での切断断片の確認により、変異を検出できる。
本製品には100回/25回の増幅と切断に必要な試薬が全て含まれている。また、本製品にはPositive Control DNAが含まれているので、反応系に問題がないかの確認も行える。
※本製品に含まれるTerra PCR Direct Polymerase Mixを用いて増幅したPCR産物の確認や、Guide-it Resolvaseによる切断効率確認のための電気泳動バッファーには、TAE Bufferの使用を推奨します。TBE Bufferを使用した場合、泳動パターンがスメアやスマイリングなどを生じる場合があります。
図1. Guide-it Mutation Detection Kitを用いた変異検出
図2. Guide-itとSurveyorアッセイの比較
Cas9を発現するプラスミド、及び
AAVS1 locusに特異的なsgRNAをコードするプラスミドを用いて293T細胞へトランスフェクションし、48時間培養した細胞をトランスフェクションしていない細胞と6段階の比率
*で混合した後、変異検出を行った。Terra PCR Direct Polymerase Mixを用いてターゲットとなる
AAVS1 locusを含む領域を増幅し、PCR産物を精製後、Guide-it Resolvase、またはCel1 enzyme(Surveyorアッセイ)で切断し、電気泳動を行った。Guide-itでは変異を容易に検出できたが、Surveyorアッセイでは明らかにスメアーが生じており、切断効率の検出、及び低レベルの変異の検出が困難であった。
* lane 1-6 : 100%, 80%, 60%, 40%, 20%, 0%(トランスフェクションした細胞の割合)