製品説明
Guide-it Genotype Confirmation Kitは、ゲノム編集後の細胞集団からクローン化した細胞を簡便にジェノタイピングするキットである。
本製品では、クローン化細胞より調製したゲノム編集ターゲット領域を含むDNA断片を、Cas9ヌクレアーゼとゲノム編集に使用したsgRNAを用いた
in vitro反応により切断後、アガロースゲル電気泳動により解析することで片アレル変異(monoallelic)、両アレル変異(biallelic)、野生型(wild type)の遺伝子型を判定することができる。また、本製品に含まれる抽出バッファーとTerra PCR Direct Polymerase Mixを用い、サンプルDNA断片を細胞ライセートから直接増幅することも可能である。
CRISPR/Cas9によるゲノム編集では、通常、ゲノム上に対として存在する遺伝子の片方、あるいは両方に挿入や欠失などのゲノム変異が導入されるため、クローン化ゲノム編集細胞の本製品を用いたジェノタイピングにより、目的遺伝子型を有する候補細胞を簡便にスクリーニングすることが可能である。
キットには100回の増幅と切断に必要な試薬が含まれている。
(注意)本製品には、sgRNAを合成する試薬は含まれていません。
sgRNA合成にはGuide-it sgRNA In Vitro Transcription Kit(製品コード 632635)が別途必要です。
図1.Guide-it Genotype Confirmation Kitを用いたスクリーニングの流れ
図2.in vitro Cas9/sgRNA切断によるジェノタイプの判定
クローン化した細胞がゲノム編集により改変されていない野生型(Wild Type: WT, 図左側)の場合、細胞より調製した両アレル由来の増幅DNA断片は、
in virto Cas9/sgRNA切断反応により完全に切断され、2本の切断バンドが検出される。一方、クローン化細胞が片アレルのみ改変された変異体(Monoallelic Mutation, 図中央)の場合は、野生型アレルに由来するDNA断片のみが切断されるため、2本の切断バンドと未切断のバンドの両方が検出される。また、両アレル変異(Biallelic Mutation, 図右側)の場合には、両アレル由来の増幅産物は共に切断されず、未切断のバンドのみが検出される。
図3.クローン化したゲノム編集細胞(HEK293)のジェノタイピング結果(図A)とシーケンス解析結果(図B)例
図A:C4BPB遺伝子をターゲットとするsgRNAとCas9を用いてHEK293細胞のゲノム編集を行い、得られた15個のクローン化細胞についてGuide-it Genotype Confirmation Kitを用いてターゲット領域のジェノタイピングを行った。
電気泳動結果(左)はコントロールの解析例(WT:野生型、M:片アレル変異、B:両アレル変異)を示す。電気泳動結果(右)より、クローン1、4、10、12は野生型、クローン2は片アレル変異、クローン3、5、6、7、8、9、11、13、14、15は両アレル変異と判定された。
図B:図Aで変異が検出された4つのクローンについてシーケンス解析を行った(小文字は野生型の配列を示す。)図Aで両アレル変異と判定されたクローンのうち、クローン7はヘテロ変異、クローン9、11はホモ変異であることが確認できた。また、片アレル変異と判定されたクローン2からは、HEK293細胞株のゲノムコピー数多型に起因すると考えられる3パターンのアレル配列が得られた。
内容
• Extraction Buffer 1
• Extraction Buffer 2
• Guide-it Recombinant Cas9 Nuclease (500 ng/μl)
• 15X Cas9 Reaction Buffer
• Terra PCR Direct Polymerase Mix (1.25 U/μl)
• 2X Terra PCR Direct Buffer (with Mg2+, dNTP)
• RNase-Free Water
• 15X BSA
• Monoallelic Mutant Control Fragment (20 ng/μl)
• Biallelic Mutant Control Fragment (20 ng/μl)
• Control Fragment (20 ng/μl)
• Control sgRNA (50 ng/μl)
保存
-20℃