PrimeCap™ T7 RNA Polymerase (low dsRNA)

dsRNAの生成を大幅に低減し、高品質なmRNAの調製が可能
反応用バッファー添付
  • in vitro transcription(IVT)でのRNA合成時に生じるdsRNA副産物の生成を大幅に抑制し、生体投与時の免疫原性を低減
  • CleanCap Reagent AGなどのCapアナログと組み合わせることで効率的なキャッピングと高収量を実現
  • 既存品のT7 RNA Polymerase ver.2.0(製品コード 2541A)に比べて耐熱性(~52℃)などの性能が向上した改変体
製品コード メーカー
略称
製品名 容量 価格(税別) 特記事項 説明書、CoA
データシート
ベクター情報
参考資料 カート
Takara Code
2560A

TKR

タカラバイオ(株)
PrimeCap™ T7 RNA Polymerase (low dsRNA)
ライセンス
20,000 U ¥58,000
説明書・データシート・ベクター情報
2560A
Capアナログは本製品に含まれていません。CleanCap Reagent AG(TriLink社)などを別途ご用意ください。
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製品説明

PrimeCap T7 RNA Polymeraseは、Capアナログ依存的RNA合成、低dsRNA(double-strand RNA)生成、および耐熱性(~52℃)の特長を併せ持つ、T7 RNA polymerase*1の改変体です。本酵素とCleanCap Reagent AG(TriLink社)などのCapアナログを組み合わせてin vitro transcription(IVT)を行うことで、免疫原性のあるdsRNAの生成を大幅に低減しつつ、高いキャッピング効率とmRNAの高収量を実現します。高品質なmRNAを大量に調製することが可能なため、本製品はワクチンなどのRNA医薬分野での研究開発に適しています。

*1 T7 promoter配列を含む二本鎖DNAを鋳型、NTPを基質として、プロモーター下流の領域を転写し、in vitroで一本鎖RNAを合成する酵素

代表的なT7 promoter配列と転写開始点(CleanCap Reagent AGを使用する場合の注意点)
IVT反応の鋳型DNAを調製する際の代表的なT7 promoter配列を下記に示します。合成するRNA配列や5ʹ-cap修飾に使用するCapアナログの特徴に応じて鋳型をデザインする必要がありますので、目的に合わせて鋳型DNAをご準備ください。

[CleanCap Reagent AGを利用する場合]
転写開始点(+1 position)からのNGG配列は、AGGとすることを推奨します。

[Uncapped RNA合成時、もしくはARCA使用の場合]
転写開始点(+1 position)からのNGG配列は、GGGとすることを推奨します。
CleanCap Reagent

CleanCap Reagent CleanCap Reagent
図1. FLuc mRNA(約1.9 kb)を合成した際の収量(左図)とdsRNA副産物の生成抑制効果(右図)
Positive Control Template (FLuc)(Takara IVTpro T7 mRNA Synthesis Kit(製品コード 6144)の構成品)を鋳型として、T7 RNA Polymerase Ver.2.0(製品コード 2541A)と本製品を用いて、CleanCap Reagent AG使用時の標準的な20 μl反応系(使用例を参照)でのIVT結果を比較したところ、mRNA合成収量を損なうことなく、dsRNAの生成を10%以下に抑えられることを確認した。

用途

  1. Capアナログを使用したcapped mRNAの合成(共転写キャッピング)
  2. 酵素的キャッピングに使用するuncapped RNAの合成(注:RNA収量はCapアナログ使用時と比べ、10~40%減少します。)

内容

横にスクロールできます
PrimeCap T7 RNA Polymerase (200 U/μl)20,000 U
10×T7 RNA Polymerase Buffer1 ml

保存

-20℃

濃度

200 U/μl

起源

Escherichia coli carrying a plasmid containing the gene for phage T7 RNA polymerase variant

一般的性質

質量:約99.8 kDa
補因子:Mg2+

活性の定義

37℃において1時間に1 nmolの[3H]GMPを酸不溶性沈殿物に取り込む酵素量を1 Uとする。

活性測定用反応液組成

40 mMTris-HCl(pH8.0)
8 mMMgCl2
2 mMスペルミジン
5 mMDTT
0.4 mMATP・UTP・CTP
0.4 mM[3H]GTP
1 μg/50 μlpT7-2 DNA

品質管理データ

性能試験結果については、各ロットのCertificate of Analysis(CoA)をご覧ください。CoAはhttps://catalog.takara-bio.co.jp/search/doc_index.phpからダウンロードできます。

注意事項

  1. 本酵素の激しい攪拌は行わないでください。
  2. 鋳型となる二本鎖DNAや試薬、反応に使用するチューブ、マイクロピペット用チップなどにRNaseが混入した場合、反応後に得られるRNAの収量が低下したり、RNAが断片化します。反応に使用するチューブ、マイクロピペット用チップは専用のものとし、反応を行うときはディスポーザブル手袋を着用して、RNaseが混入しないように注意してください。
  3. 均一な長さのRNAを合成するために、T7 promoterを含む線状化したプラスミドあるいはPCR産物などが鋳型DNAとして使用できます。線状化鋳型の3’末端は5’突出あるいは平滑末端が望ましいとされています。必要に応じてBspQ I(製品コード 1227A/B)などの制限酵素をご利用ください。
  4. 10×T7 RNA Polymerase Buffer中にはスペルミジンが含まれています。スペルミジンは核酸と複合体を形成して、場合によっては不溶物質として沈殿する可能性がありますので、鋳型DNAは必ず酵素以外のコンポーネントの最後に加えるようにしてください。
  5. 本製品にはCapアナログやNTPs(ATP、CTP、GTP、UTP)は含まれていません。必要に応じてCleanCap Reagent AG(TriLink社)やRibonucleoside 5’-Triphosphatesなどを別途ご用意ください。
  6. IVTでのRNA合成反応を促進するPyrophosphatase (inorganic)(製品コード 2450A/B)や、反応中の分解を抑制するRecombinant RNase Inhibitor ver.2.0(製品コード 2315A/B)の併用を推奨します。詳細は各製品ページをご確認ください。

使用例

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RNase-free WaterX µl
10×T7 RNA Polymerase Buffer2 µl
ATP、CTP、GTP、UTP*1各 10 mM
CleanCap Reagent AG*24 mM
Template DNA0.5~2 µg
Recombinant RNase Inhibitor ver.2.020 U
Pyrophosphatase (inorganic)0.1 U
PrimeCap T7 RNA Polymerase200 U
Total20 µl
37℃で1~2時間インキュベーションする。

*1 N1-Methyl-Pseudo-UTPなどの修飾NTPを使用する場合は、対応するNTPを等量で置き換えてください。
*2 CleanCap Reagent AG(TriLink社:Code. N-7113-1/5/10)
注意事項
  • 本ページの製品はすべて研究用として販売しております。ヒト、動物への医療、臨床診断用には使用しないようご注意ください。また、食品、化粧品、家庭用品等として使用しないでください。
  • タカラバイオの承認を得ずに製品の再販・譲渡、再販・譲渡のための改変、商用製品の製造に使用することは禁止されています。
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