製品説明
T7 RNA Polymerase, HQは、ヒトまたは動物由来原料およびβラクタム系化合物を最終組成液に含まないHigh Quality(HQ)グレード試薬(研究用)です。本製品は、非臨床試験用の医薬品原薬の調製やGMPガイドラインに準拠する医薬品の製造プロセスの開発、また、RNA 医薬開発等の基礎研究に利用可能な製品です。
品質グレードとは?(RUO/HQ/GMP)
本酵素は、T7 promoter配列を含む二本鎖DNAを鋳型、NTPを基質として、プロモーター下流の領域を転写し、一本鎖RNAを合成します。
従来製品(RUOグレード)のT7 RNA Polymerase ver.2.0(製品コード 2541A)と同等の性能を有しており、添付の反応バッファーと組み合わせて
in vitro transcription(IVT)反応に用いることで、高品質かつ大量のRNAが調製できます。
図1.RNA合成収量(RUOおよび他社品との比較)
CleanCap Reagent AG(TriLink社)を使用してFLuc RNAを合成した際の収量比較(200 μl反応系)
本製品およびT7 RNA Polymerase ver.2.0(製品コード 2541A)では高いRNA収量を示す。
T7 RNA Polymerase ver.2.0のRNA合成収量については
製品ページをご参照ください。
使用例(20 μl反応系)はこちら 用途
<医薬品原料開発>
非臨床試験用mRNA原薬の調製
RNA医薬のプロセス開発
<基礎研究>
Cap analogを用いたcapped mRNAの合成
Long non-coding RNAの合成
guide RNAの合成
siRNA前駆体の合成
RT-qPCR用RNA標準鋳型の合成
高標識RNAプローブの合成
品質
本製品の最終組成液には、ヒトまたは動物由来成分、およびβラクタム系化合物は含まれません。
内容
T7 RNA Polymerase, HQ (200 U/μl) | 200,000 U |
10×IVT Reaction Buffer, HQ | 10 ml |
保存
-20℃
濃度
200 U/μl
起源
Escherichia coli carrying a plasmid containing the gene for phage T7 RNA polymerase
一般的性質
質量:約99.8 kDa
補因子:Mg2+
活性の定義
37℃において1時間に0.5 μgの1.9 kb FLuc RNAを生成する酵素量を1 Uとする。
活性測定用反応液組成
1×IVT Reaction Buffer, HQ
10 mM ATP・CTP・GTP・UTP
1 μg/20 μl リニア化FLucプラスミドDNA
品質管理データ
注意事項
- 本酵素の激しい攪拌は行わないでください。
- 鋳型となる二本鎖DNAや試薬、反応に使用するチューブ、マイクロピペット用チップなどにRNaseが混入した場合、反応後に得られるRNAの収量が低下したり、RNAが断片化します。反応に使用するチューブ、マイクロピペット用チップは専用のものとし、反応を行うときはディスポーザブル手袋を着用して、RNaseが混入しないように注意してください。
- 均一な長さのRNAを合成するために、T7 promoterを含む線状化したプラスミドあるいはPCR産物などが鋳型DNAとして使用できます。線状化鋳型の3’末端は5’突出あるいは平滑末端が望ましいとされています。
- 10×IVT Reaction Buffer, HQにはスペルミジンが含まれています。スペルミジンは核酸と複合体を形成して、場合によっては不溶物質として沈殿する可能性がありますので、鋳型DNAは必ず酵素以外のコンポーネントの最後に加えるようにしてください。
使用例(約1.9 kbのRNA合成)
37℃で1~2時間インキュベーションする。