Faustovirus Capping Enzyme (S17)

従来酵素に比べ幅広い温度帯で反応可能なm7G cap構造(Cap 0)付加酵素
反応用バッファー添付
  • Faustovirus S17株由来のシングルサブユニットからなる酵素
  • RNA(5’-triphosphate RNA)の5’末端に7-methylguanylate cap構造(Cap 0)を付加
  • Vaccinia Capping Enzyme(製品コード 2460A/B)のようなVacciniaウイルス由来のキャップ化酵素と比べ、より広範囲な温度での活性を示し、様々なRNAに対して頑強性を示す

mRNA(IVT)製品ガイド
製品コード メーカー
略称
製品名 容量 価格(税別) 特記事項 説明書、CoA
データシート
ベクター情報
参考資料 カート
Takara Code
2480A

TKR

タカラバイオ(株)
Faustovirus Capping Enzyme (S17)
労働安全衛生法 安全データシート(SDS)添付 ライセンス
500 U ¥18,000
説明書・データシート・ベクター情報
2480A
2480B(A×4)

TKR

タカラバイオ(株)
Faustovirus Capping Enzyme (S17)
労働安全衛生法 安全データシート(SDS)添付 ライセンス
2,000 U ¥58,000
説明書・データシート・ベクター情報
2480B(A×4)
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製品説明

Faustovirus Capping Enzyme (S17) (以下、FCE)は、Faustovirus S17株由来のシングルサブユニットからなる酵素であり、Vaccinia Capping Enzyme(製品コード 2460A/B)(以下、VCE)のようなVacciniaウイルス由来のキャップ化酵素と同様の作用機序でRNA(5’-triphosphate RNA)の5’末端に7-methylguanylate cap構造(Cap 0)を付加します。本製品に含まれる試薬(10×Capping Buffer 2、S-adenosylmethionine(SAM)、およびGTP)と共に使用することで、完全なCap 0構造を持つRNAをin vitroにおいて効率的に調製できます。
また、本酵素をmRNA Cap 2’-O-Methyltransferase(製品コード 2470A/B)(以下、2’-O-MTase)と同時に使用する場合には、Cap-0 RNAの1番目のヌクレオチドの2’-O部位がメチル化されたCap 1構造を持つRNAをシングルステップ反応で調製することも可能です

本酵素は、VCEと比べ、より広範囲な温度での活性を示し(30~50℃)(図1)、様々なRNAに対して頑強性を示すため、ワクチンなどのRNA医薬分野での研究開発に有用です。

「特記事項」
Uncapped RNA(IVT合成した5’-triphosphate RNA)を元に1-stepでCap-1 RNAを調製する場合、2’-O-MTase(製品コード 2470A/B)に付属のバッファーではなく、FCE用に最適化された10×Capping Buffer 2をご使用ください。


図1.反応温度とCapping効率
本酵素(FCE)と既存酵素(VCE)を用いて、それぞれCapping反応を行い、LCMSでCapping効率(Cap 0比率)を測定した。FCEはVCEに比べ、幅広い温度範囲において高いCapping効率を示した。

用途

  1. Cap 0構造を持つmRNAの調製
  2. Cap 1構造を持つmRNAの調製(mRNA Cap 2’-O-Methyltransferaseとの併用)

内容

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Faustovirus Capping Enzyme (S17) (25 U/μl)500 U
10×Capping Buffer 2100 μl
S-adenosylmethionine (SAM) (32 mM)100 μl
GTP (10 mM)50 μl

保存

-20℃

濃度

25 U/μl

起源

Escherichia coli carrying a plasmid containing the gene for Faustovirus capping enzyme (S17)

一般的性質

質量:約100 kDa

活性の定義

37℃において30分間に5 pmolの100 nt 転写物をCap-0 RNAに変換する酵素量を1 Uとする。

活性測定用反応液組成

Capping Buffer 2
25 μMGTP
20 μCi/ml[3H]SAM
2.5 μg/50 μl100 nt RNA

品質管理データ

性能試験結果については、各ロットのCertificate of Analysis(CoA)をご覧ください。CoAはこちらからダウンロードできます。

注意事項

  • 本酵素の激しい攪拌は行わないでください。
  • 基質となるRNAや試薬、反応に使用するチューブ、マイクロピペット用チップなどにRNaseが混入した場合、反応後に得られるRNAの収量が低下したり、RNAが断片化します。反応に使用するチューブ、マイクロピペット用チップは専用のものとし、反応を行うときはディスポーザブル手袋を着用して、RNaseが混入しないように注意してください。

使用例

使用例-1: Uncapped RNA(5’-triphosphate RNA)からCap-0/Cap-1 RNAの調製[2-step reaction]

横にスクロールできます
RNA transcript (50 μg) *138 μl
10×Capping Buffer 25 μl
GTP(10 mM)2.5 μl
SAM(2 mM, dilute 32 mM stock to 2 mM)*22.5 μl
Faustovirus Capping Enzyme (S17)(25 U/μl)*32 μl
Total50 μl*4

37℃で30分インキュベーションする。*3
続けて2’-O-MTaseを用いてCap-1 RNAの調製も可能
Uncapped RNA(5’-triphosphate RNA)からCap-0 RNAの調製

使用例-2: Uncapped RNA(5’-triphosphate RNA)からCap-1 RNAの調製[1-step reaction]

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RNA transcript (50 μg) *134 μl
10×Capping Buffer 2*55 μl
GTP(10 mM)2.5 μl
SAM(4 mM, dilute 32 mM stock to 4 mM)*22.5 μl
Faustovirus Capping Enzyme (S17)(25 U/μl)*32 μl
mRNA Cap 2’-O-Methyltransferase(50 U/μl)*34 μl
Total50 μl*4

37℃で1時間インキュベーションする。*3
Uncapped RNA(5’-triphosphate RNA)からCap-1 RNAの調製

*1 RNA(5ʹ-triphosphate RNA)の5ʹ末端が複雑な2次構造を取る場合は、反応前に熱変性することによりキャップ付加効率が改善される可能性がある。
<熱変性>
(1)精製RNA 50 μgをRNase-free waterで38 μl(Cap-0 RNA調製)あるいは34 μl(Cap-1 RNA調製;1-step reaction)に調製する。
(2)65℃、5~10分で熱変性した後、5分氷冷する。
*2 SAMは不安定であるため、反応前に必要分を32 mMのストック溶液からRNase-free Waterで希釈調製する。希釈液は反応まで氷上で保存する。
*3 RNAのキャップ付加効率が低い場合は、酵素の使用量を増やす、または反応時間を延長する。
*4 反応ボリュームは必要に応じてスケールアップ可能。
*5 mRNA Cap 2ʹ-O-Methyltransferase(製品コード 2470A/B)に付属のバッファーではなく、Faustovirus Capping Enzyme (S17) 用に最適化された本バッファー(10×Capping Buffer 2)を使用する。
注意事項
  • 本ページの製品はすべて研究用として販売しております。ヒト、動物への医療、臨床診断用には使用しないようご注意ください。また、食品、化粧品、家庭用品等として使用しないでください。
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