製品説明
Faustovirus Capping Enzyme (S17), HQ(以下、FCE HQ)は、ヒトまたは動物由来原料、およびβラクタム系化合物を最終組成液に含まないHigh Quality(HQ)グレード製品(研究用)です。本製品は非臨床試験用の医薬品原薬の調製やGMPガイドラインに準拠する医薬品の製造プロセスの開発、また、RNA医薬開発等の基礎研究に利用可能な製品です。
品質グレードとは?(RUO/HQ/GMP)
本製品は、
Faustovirus Capping Enzyme (S17)(製品コード 2480A/B)と同等の性能を有しています。本酵素は、Faustovirus S17株由来のシングルサブユニットからなる酵素であり、Vacciniaウイルス由来のキャップ化酵素(以下、VCE)と同様の作用機序でRNA(5’-triphosphate RNA)の5’末端に7-methylguanylate cap構造(Cap-0)を付加します。真核生物においてキャップ構造は、mRNAの安定化、核外輸送および翻訳において重要です。
本酵素は本製品に含まれるキャップ付加バッファー下において、GTPおよびS-adenosylmethionine(SAM)と共に使用することで、完全なCap-0構造を持つRNAを効率的に調製できます。また、本酵素を
mRNA Cap 2’-O-Methyltransferase, HQ(製品コード 2471A)と同時に使用することで、Cap-0 RNAの1番目のヌクレオチドの2’-O部位がメチル化されたCap-1構造を持つRNAをシングルステップ反応で調製することも可能です(
使用例-2をご参照ください)。
本酵素は、VCEと比べ、より広範囲な温度での活性を示し(30~50℃)(図1)、様々なRNAに対して頑強性を示すため、ワクチンなどのRNA医薬分野での研究開発に有用です。
図1.反応温度とCapping効率
本酵素(FCE)と既存酵素(VCE)を用いて、それぞれCapping反応を行い、LCMSでCapping効率(Cap-0比率)を測定した。FCEはVCEに比べ、幅広い温度範囲において高いCapping効率を示した。
用途
<医薬品原料開発>
非臨床試験用mRNA原薬の調製
RNA医薬のプロセス開発
<基礎研究>
Cap-0構造を持つmRNAの調製
Cap-1構造を持つmRNAの調製(mRNA Cap 2’-O-Methyltransferase,HQとの併用)
品質
本製品の最終組成液には、ヒトまたは動物由来成分、およびβラクタム系化合物は含まれません。
内容
Faustovirus Capping Enzyme (S17), HQ (25 U/μl) 25,000 U
10× Capping Buffer 2, HQ 10 ml
※本製品にはGTPおよびS-adenosylmethionine (SAM)が含まれません。別途ご用意ください。
保存
-20℃
濃度
25 U/μl
起源
Escherichia coli carrying a plasmid containing the gene for Faustovirus capping enzyme (S17)
一般的性質
質量:約100 kDa
活性の定義
37℃において30分間に30 pmolの100 nt転写物をCap-0 RNAに変換する酵素量を1 Uとする。
活性測定用反応液組成
| 1× |
|
Capping Buffer 2, HQ |
| 500 μM |
|
GTP |
| 100 μM |
|
SAM |
| 1 μg/20 μl |
|
100 nt RNA |
品質管理データ
性能試験結果については、各ロットのCertificate of Analysis(CoA)をご覧ください。CoAは
こちらからダウンロードできます。
注意事項
- 本酵素の激しい攪拌は行わないでください。
- 基質となるRNAや試薬、反応に使用するチューブ、マイクロピペット用チップなどにRNaseが混入した場合、反応後に得られるRNAの収量が低下したり、RNAが断片化します。反応に使用するチューブ、マイクロピペット用チップは専用のものとし、反応を行うときはディスポーザブル手袋を着用して、RNaseが混入しないように注意してください。
使用例
使用例-1:(Uncapped RNA(5’-triphosphate RNA)からCap-0 RNAの調製)[2-step reaction]
37℃で1時間インキュベーションする。
*3
続けて
2’-O-MTase, HQを用いてCap-1 RNAの調製も可能
使用例-2:(Uncapped RNA(5’-triphosphate RNA)からCap-1 RNAの調製)[1-step reaction]
37℃で1時間インキュベーションする。
*3
*1 RNA(5’-triphosphate RNA)の5’ 末端が複雑な2次構造を取る場合は、反応前に熱変性することによりキャップ付加効率およびメチル化効率が改善される可能性がある。
(1)精製RNA 50 μgをRNase-free Waterで38 μl(Cap-0 RNA調製) あるいは34 μl(Cap-1 RNA調製)に調製する。
(2)65℃ 5~10分で熱変性した後、5分氷冷する。
*2 SAMは不安定であるため、反応前に必要分を32 mMのストック溶液からRNase-free Waterで希釈調製する。希釈液は反応まで氷上で保存する。
*3 RNAのキャップ付加効率、あるいはメチル化効率が低い場合は、酵素の使用量を増やす、または反応時間を延長する。
*4 反応ボリュームは必要に応じてスケールアップ可能